【7月4日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が米中央情報局(CIA)工作員実名漏えい事件に関連して禁固2年6月の実刑判決を受けたルイス・リビー(Lewis Libby)被告の実刑を免除したことについて3日、野党民主党などから激しい非難の声が上がっている。

■民主党議員らは減刑措置を激しく非難

 民主党のハリー・リード(Harry Reid)上院議員は、ブッシュ大統領の決定は「恥ずべきものだ」と批判。また、同党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は「米国民の信頼を裏切る行為」と述べた。同党の大統領選候補者、ジョン・エドワーズ(John Edwards)元上院議員も「米国における司法の平等の大義が深刻な打撃を受けた」と非難した。

 CIA工作員実名漏えい事件を担当したパトリック・フィッツジェラルド(Patrick Fitzgerald)特別検察官は、判決が「過大」だとするブッシュ大統領の見解に異議を唱え、「陪審員による重罪での有罪判決は残る。われわれは、上訴手続によってこれらの有罪判決を維持する」と強調した。

 一方、共和党の大統領選候補者、ルディ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)前ニューヨーク市長は、ブッシュ大統領は「合理的な判断」をしたと語り、「正しい」判断だとの見解を示した。

 ディック・チェイニー(Dick Cheney)副大統領の元首席補佐官であるリビー被告は、CIA工作員実名漏えい事件の捜査過程で連邦捜査局(FBI)に対し虚偽証言をしたなどとして有罪判決を受けていた。ブッシュ大統領の減刑措置によって同被告は収監を免れたが、完全な恩赦ではなく、罰金刑などは引き続き有効となっている。(c)AFP