【7月2日 AFP】米アップル(Apple)が前月29日に発売したiPhoneは、発売後最初の週末、全米の家庭向けエレクトロニクス製品市場を席巻した。手に入れたばかりのiPhoneを手に、「欠点も愛す」と言わんばかりの愛好者の姿が各地の販売店で見られた。

 サンフランシスコのアップルストアで発売初日にiPhoneを手に入れた女性は、「今まで手に入れたなかで一番クールな機器。全体的にすごい。残念な点もなくはないけど、電源を入れた瞬間から満足しているわ」と興奮気味。

 iPhoneだけの特徴である3.5インチ(8.9センチ)のタッチパッド操作画面について、「アイコンが並ぶタッチスクリーンは見た目はきれいだし、操作は簡単。とても便利ね。間違いなく、iPhoneで一番クールなところだわ」と話した。

 iPhoneは携帯電話、インターネットブラウザ、電子メール、音楽と動画の携帯プレーヤー機能を1台にまとめた製品。正確な販売台数は発表されていないが、発売から48時間以内に売り切れた店舗もあるといわれ、人気の高さがうかがわれる。

 iPhoneが使える唯一の携帯電話会社、AT&Tのウェブサイトにはアカウント開設を求める人が殺到し、長時間待たされる人も出ている。

 定価は4ギガバイト版が499ドル(約6万2000円)、8ギガバイト版が599ドル(約7万4000円)だが、早くも1日にはネットオークションサイトeBayに1台700-1000ドル(約8万6000円-12万3000円)で売るとの書き込みが5700件以上も寄せられた。

 動画投稿サイト、ユーチューブ(YouTube)に投稿された動画も、自宅のパソコンより、iPhoneの方がきれいに再生できるようだ。ただし、動画のなかにはiPhoneで再生できないものもあり、iPhoneは米AdobeのFlashなど一般的な動画ストリーム用のソフトにも対応していない。

 また、iPhoneでAT&Tのネットワークにアクセスした場合、「超遅い」との指摘もある。やはりサンフランシスコの販売店で2台を購入した男性は、「改善すべき点はある。ただ、とにかく発売されたことが何よりうれしい」と述べた。

 アップルは1年以内に、iPhoneで世界で10億台が使われている携帯電話シェアの1%を獲得することを目標にしている。米国外での販売は、ヨーロッパで2007年末、アジアでは2008年を予定している。(c)AFP/Glenn Chapman