【6月25日 AFP】暴風雨やアラビア海沿岸の洪水で少なくとも235人の死亡者が出たカラチ(Karachi)で25日、関係当局による救援活動が開始された。Mustafa Kamalカラチ市長が明らかにした。

 カラチ入りした作業員は、倒木や、激しい雷雨の影響で倒壊して数人の死傷者を出した50あまりの巨大な広告看板の残がいの撤去にあたった。

 国営メディアが伝えたところによると、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は死亡者に哀悼の意を表明するとともに、州当局および市当局に対して早急に対策を講じるよう指示したという。

 市当局者の話によると、特に被害が大きかったカラチのスラム街Gadapには避難所が設けられ、救援物資を積んだトラック2台が派遣されたという。同地域では、1000軒以上の小屋が破壊された。死傷者の多くは小屋の屋根や壁が崩壊したことが原因で被害にあったとみられる。

 シンド(Sindh)州のSyed Sardar Ahmed保健相は24日夜の時点で、人口1200万人のカラチでは228人が死亡し、200人が負傷したと発表していた。死傷者の大半は、郊外で被災したという。

 地元メディアは「土台がぜい弱な巨大広告看板を人口密集地に設置することを許可した」として、市当局を非難している。シャウカット・アジズ(Shaukat Aziz)首相は「臨戦態勢」で広告看板の問題に取り組むよう、関係当局に要請したという。

 暴風雨に見舞われてから48時間が経過しても、市のいくつかの地域では電力供給が再開されず、怒りを募らせた住民による暴動が発生した。暴徒化した住民は自家用車2台に放火したほか、電力会社の社用車を攻撃したり、交通を遮断するために路上でタイヤを燃やすなどした。電力供給の停止により、給水ポンプ使用できなくなり、多くの人々が新鮮な水の供給を得られない生活を余儀なくされた。(c)AFP/Mohamed Husain