【6月25日 AFP】英BBCのアラン・ジョンストン(Alan Johnston)記者が今年3月、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で武装勢力に拉致された事件で、自治政府首相を事実上解任されたイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)のイスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)首相は24日、同記者が爆弾を身体に巻かれた状態で映っているビデオを見たことを明らかにした。

 ハニヤ首相は、現在ハマスが制圧しているガザ地区内で、支持者らに向けて演説。「ジョンストン記者が爆弾を仕込んだベストを着せられているビデオを見た。あのような行為をわれわれは容認できない」として、記者の解放を訴えた。いつどこでビデオを見たかは明らかにしなかった。

 米情報収集企業インテルセンター(IntelCenter)によると、ビデオの長さは1分42秒で、ジョンストン記者拉致の犯行声明を出している武装勢力「Army of Islam」が公開したものだという。

 同記者はビデオの中で、「彼らは、この場所に強行突入が行われた場合には、この爆弾を爆発させると言っている。ハマスと英政府が軍事的な解決を選択した今、交渉の余地はなく、状況は極めて深刻だと主張している」と語っている。

 同記者のビデオが公開されたのは、今回が2度目。拉致事件発生からは104日が経過している。(c)AFP/Sakher Abu El Oun

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