【ミラノ 24日 AFP】イタリアの主要ブランドが、競争が激化するラグジュアリー商品市場で地位の確立と独立性を維持するための資金を調達するために、株式市場上場の動きを強めている。

 今月20日には、ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)が、近い将来に株式市場へ上場することを考えているとコメント。21日には、フェラガモのフェリシオ・フェラガモ(Ferruccio Ferragamo)社長が、2008年に株式を上場する計画を明らかにした。

■巨大ラグジュアリー・グループへの売却が目立った90年代

 1990年代には、各ブランドは巨大ラグジュアリー・グループの傘下に納まることで資金を確保しようとしていた。フェンディ(Fendi)とエミリオ・プッチ(Emilio Pucci)は、仏LVMHグループ傘下となり、グッチ(Gucci)、ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)、セルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)はPPR(旧ピノー・プランタン・ルドゥート)に所属した。

 伊ヴァレンティノ(Valentinoi)は1998年にはHdPグループに、2002年にはマルゾット(Marzotto)に買収される。さらに、今年5月には株式の30%を投資ファンドのペルミーラ(Permira)に売却。17日に脳内出血で死去したジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferre)は2000年に、所有する株式の90%をトニナ・ペルーナ・グループ(Groupe Tonina Perna)に売却していた。

 コンサルタント企業インテル・コーポレート(InterCorporate)のアルマンド・ブランチーニ(Armando Branchini)氏は、「このような企業は、より成長する手段として自社売却の道を選んだ」とコメント。「買収に応じたブランドの多くは、数世代にわたり市場で活動してきていた。中には、後継者がいなくなってしまった企業もある」

■「上場」で将来を切り開く

 それとは対照的に、財政的に独立性を維持しているサルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)、ロベルト・カヴァリ、プラダ(Prada)などのブランドは株式市場への上場を目指している。

 「現在のイタリアで活躍する、多くの家族経営の企業や、若手企業は、巨大ラグジュアリー・グループに属するよりも、株式市場に上場することで将来を切り開こうとしている。上場により、資本の大半を家族の手に握ることが可能になり、その結果として経営の全領域において支配を維持することが可能になる」とブランチーニ氏。

 今月20日、カヴァリは「共同経営する相手が見つかれば、株式上場するかもしれない」とコメント。21日にはフェラガモが、2008年に株式を上場する計画を明らかにした。

 創業者の孫娘のミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)と夫のパトリッツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)が所有するプラダは、過去に株式上場計画を2度中止している。しかし最近、近い将来にもう一度上場を計画していることを明らかにした。

■独立を貫く「ヴェルサーチ」「アルマーニ」

 ジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)の死から10年、現在も完全に家族経営を貫くヴェルサーチは、ジャンニの妹ドナテラ(Donatella)と兄のサント(Santo)が50%、姪のアレグラ(Allegra)が残りの50%の株式を保有。

 ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)とジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)は、株式上場や投資家との提携を拒絶。アルマーニは2004年、70歳の誕生日を迎える直前に「この年になっても、誰に指示されることなく好き勝手に考え、自分の道を突き進めるということは素晴らしい贈り物だと思っている」と語った。アルマーニは自身のブランドの創設者であるだけでなく、デザイナー、株主、最高経営責任者(CEO)などの様々な役職を兼任している。

 写真は、ミラノ市内で発表されたサルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の07/08年秋冬コレクション(2007年2月21日撮影)。(c)AFP/PIERRE VERDY