【6月24日 AFP】沖縄戦から62年目を迎えた23日、安倍晋三Shinzo Abe)首相は沖縄の平和祈念公園で開催された20万人を超える戦没者を悼む慰霊式に出席した。

 沖縄県議会は、高校日本史の教科書で、沖縄戦時下の住民集団自決が旧帝国軍の強制によるものとする表現を削除するよう指示した文部科学省に対して修正を求めており、同日も、文科省の姿勢や安倍首相の訪問に反対する国民ら約30人が、平和祈念公園の外でデモを行った。

 式典では自民党(Liberal Democratic Party)の後押しを受ける仲井眞弘多Hirokazu Nakaima)沖縄県知事も、「沖縄戦の真実を次の世代に伝え、教訓を胸に刻む必要がある。我々1人ひとりが、平和のために日々努力しなくてはならない」と、暗に批判を訴えた。

 一方、自国の歴史を誇りとし、「うつくしい日本」作りを目指す安倍首相は、沖縄で最も関心の高い米軍再編について言及、「切実な声に耳を傾け、米軍再編を推進する」と語った。また、式典後には記者団に対し、「教科書問題は政府審議会で学術的見地から検討している」と述べた。(c)AFP/Shigemi Sato