【6月22日 AFP】宮内庁は22日、天皇陛下のいとこにあたり、皇位継承順位第6位の三笠宮寛仁さま(61)が「専門医によりアルコール依存の状態にあるとの診断を受けられた」と発表した。寛仁さまは、病院に1か月以上入院して治療を受けられるという。

 同庁によると、寛仁さまは重度の不眠や飲食物をうまく飲み込めない症状もみられ、宮廷での静養では改善が見込めないと診断されたという。寛仁さまは近年、度々体調不良を訴え、入退院を繰り返していた。

■相次ぐご病気

 皇室では最近、ご病気が相次いでいる。

 元キャリアウーマンの皇太子妃雅子さまは適応障害のため、公の場への出席を控えられている。皇后さまも2007年に入り、精神的な疲れによるとみられる症状のため、治療を受けられた。今月初めには、皇太子さまが良性腫瘍の切除手術を受けられている。

■女系天皇をめぐる議論

 女系天皇に対する強硬な反対論者として知られる寛仁さまはかつて、男性の子孫を残すためにとされていたかつての「側室」制度について言明したこともある。

 男系天皇の維持を日本のアイデンティティの問題と位置づける寛仁さまは、伝統を守らなければ日本は米国の51番目の州か中国の一部になると懸念されていた。

 寛仁さまの公の場での発言は、皇室のメンバーとしては異例のもの。第2次世界大戦後に制定された日本国憲法のもとでは、天皇陛下は一切政治的役割を有していない。
 
 国内で進められていた女系天皇容認を求める動きは、2006年に秋篠宮妃紀子さまが皇室では約40年ぶりとなる男児を出産されたことにより、見送られることとなった。(c)AFP