【6月21日 AFP】欧州連合(EU)は21日、ブリュッセルで欧州憲法条約の修正について話し合う首脳会談を開く。ポーランドと英国が反対を表明しており、調整が難航する可能性もある。合意に至れば、あるいは至らなければ、どういうことが起こるのだろうか。

■完全合意の場合、各国批准作業へ

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は既存の欧州憲法条約に修正を加えることを提案している。首脳会議が合意に至れば、新しい欧州条約案は信任を得たことになる。当初の欧州憲法条約は欧州の既存の全条約に代わるものとされていたが、2005年にフランスとオランダで実施された国民投票で否決された。当初の欧州憲法条約を修正して新しい条約とするドイツの提案は、結果が予測できない国民投票を極力避けるために考えられたものだ。

 合意が得られれば、加盟国の政府間協議(IGC)で司法分野を中心に詳細な検討を行う。この作業には数か月かかるとみられる。各国での批准作業に着手するためにも年内の終了が望まれるが、すべての手続きが終了するまで1年程度かかる可能性もある。

 アイルランドは国民投票の義務があり、英国、デンマーク、オランダも、自国の憲法と著しい違いがあると判断された場合は国民投票を行う可能性を否定していない。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は国民投票で仏国民が再び「ノン」を突きつけるリスクを回避するため、欧州条約は議会の承認により批准するとの方針を明らかにしている。

■部分的合意の場合、欧州会議選までの条約採択は困難

 EU内での自国の影響力の低下を恐れるポーランドや自国内における権限の縮小を懸念する英国の反対があるため、加盟国の外交筋にの間には総合的な合意は難しいとの見方がある。

 いずれにせよ政府間協議は開催されるが、必要な作業が膨大となることが予想され、本年中に終了する可能性は低い。そのため、次の欧州議会選挙が行われる2009年6月までに改正欧州条約を採択するという目標達成は難しくなる。

■否決、避けたい選択

 EU首脳としては考えたくない選択肢で、数年間にわたる準備期間にもかかわらず2005年以来死文化している当初の欧州憲法条約の二の舞は避けたいところ。合意に至らなければ政府間協議すら開催されないだろう。

 欧州委員会(European Commission)のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長は19日に「われわれには『プランA』しかない」と強調。失敗は国家間の不信にもつながりかねないとの懸念を示し「われわれの活動全体を後退させることになる」と述べた。

 一方、2004年に15か国だった加盟国が27か国まで拡大した現在でも欧州連合が機能していることから、現行の諸条約で十分なのではないかという見方もある。(c)AFP