【6月20日 AFP】南西部ボルドー(Bordeaux)で開催中の世界最大のワイン見本市「ヴィネクスポ(Vinexpo)2007」で、2010年にはワイン消費量の爆発的な伸びが確実視される中国が際立つ存在感を見せている。

 同見本市に来賓として出席した香港の湯顕明(ティモシー・トン、Timothy Tong)税関長官は、2001年に335万hl(ヘクトリットル)だった中国内でのワイン消費量が、2005年には410万hlに上昇している事実を報告。2010年にはさらに558万hlに増加すると予測する。

 しかも、これは中国全人口の5.6%程度にすぎないとし、湯税関長官は中国市場の高い将来性を強調する。

 同様に、香港経由でアジア各国に輸出されるワイン量も、2005年の130万hlから2006年には120%増の290万hlと急増している。

 湯税関長官はさらに、香港でのワイン輸入関税を2月に80%から40%と5割も引き下げたと強調した。

 今年のヴィネクスポ開催に先立ち、ロンドンの調査会社「International Wine and Spirit RecordIWSR)」は、ワイン消費大国として、2010年には中国とロシアが、それぞれ10位、8位と新たにトップ10入りするほか、米国が1位に躍り出るとの予測を発表している。また、世界規模で見た2010年のワイン消費量は45%増、生産量は41%増となると予測する。

 2006年のフランスワイン輸出は好調を記録したことから、クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)新農業・漁業相は、「2006年のワイン輸出収入は77億ユーロ(約1兆2000億円)で、これはエアバス150機分に相当する」とワイン生産業者らを称賛した。

 だが一方で、ラガルド農業・漁業相はフランス国内でのワイン需要の減少を指摘。ワイン業界は、現代の消費者趣向に合わせた改革が必要だと訴えた。

 「国内消費の不振という苦境を脱しなければならない。ワイン国内市場の現状は消費者にとって複雑すぎる」(c)AFP/Sophie Kevany