【6月20日 AFP】小説『悪魔の詩(The Satanic Verses)』の作家、サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏にナイトの爵位を授与することは、同氏への自爆攻撃が発生しても正当化されるとの発言を英国が批判したことを受け、発言を行ったムハンマド・イジャズル・ハク(Muhammad Ijaz-ul-Haq)宗教問題相は19日、急進主義との戦いを阻害するとし、英国を非難した。

 英国外務省によると、Robert Brinkley英高等弁務官は、イスラマバード(Islamabad)の外務省で行われた会談で、報告された同宗教問題相の発言について「強い懸念」を表明。

 一方パキスタン側は、ラシュディ氏に爵位を授与したことについて不服を申し立てるため、同弁務官を召喚したことを明らかにした。

 ハク宗教問題相は、18日に議会で行った自爆攻撃正当化発言をすでに撤回し、発言は爵位授与が急進主義を誘発するものだという意図だったと語っている。また今回の授与は、2006年始めに起きた預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画事件よりも、イスラム教徒の気持ちを傷つけるものだと続けた。

 同宗教問題相は、約1万5000のイスラム教神学校から、急進主義を促進しないという公約を得ており、自爆攻撃はイスラム教の教えに反するとする58人の有識者からイスラム法解釈を得ている。

 Brinkley高等弁務官は18日遅く、「爵位授与は、イスラム教や預言者ムハンマドを侮辱する意図があるという解釈は正しくない」との爵位授与を弁護する声明を出していた。  ラシュディ氏は、同小説が原因で1989年、イランの故ルホラ・ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師から死刑宣告を受けている。(c)AFP/Danny Kemp and Rana Jawad