【6月18日 AFP】フランス西部の港湾都市サンマロ(Saint Malo)で、海中で1年間熟成させたロワール(Loire)ワイン「Anjou-Brissac」の試飲会が行われた。

 この日、1隻の漁船が、欧州で最も潮の流れが激しいサンマロのソリドール(Solidor)港沖で、ワイン600本(白赤各300本)が入った2つの木箱を海中10メートルから引き揚げた。前年に沈められ、海草や貝がこびりついた箱からは、白ワインと赤ワインの各2本が取り出され、樽詰めワインとの味の比較が行われた。

 Brissac-Quinceのオーナー、Christophe Daviaud氏は、「海中の白ワインは、樽詰めワインよりも木の香りが強い。また、赤ワインの熟成は樽詰めのものよりも遅く、長期熟成型ワイン『Vin de garde』として販売できる可能性がある」と語った。

 今回の試飲会を主催した地元のワインショップの店主、Yannick Heudeさんも、海中の白ワインにはフレッシュな風味があると語った。

 引き上げられたワイン600本は、ただちに近くのCezembre島に運ばれ、競りにかけられた。

 白ワイン「ブルゴーニュ(Bourgogne)」と赤ワイン「クロズ・エルミタージュ(Crozes-Hermitage)」の各300本を海中で熟成させる「海中ワイン」の試みは、2002年から行われている。Heudeさんと、「ワインと海を愛する」漁師、魚屋の店主、レストランの元店主が共同で発案した。

 Heudeさんによると、水深10メートルの海中には紫外線が届かず、水温もセ氏9-12度の間で安定しており、湿度の点からも、海は最良のワインセラーだという。

 「毎時15キロの潮の流れと1日2回の潮の満ち引きの影響が、味にどう影響するかがわからなかった。だが試飲してみたら、そうした要素がワインを一層味わい深くし、味も香りも滑らかかつまろやかになっていた」。(c)AFP/Erwan Jourand