【6月16日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官が15日夜、予告なしでバグダッド(Baghdad)を訪問した。イラク国内の融和に向けて、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相にいっそうの努力を求めるのが目的だ。

 ベルギー・ブリュッセル(Brussel)からイラクに向かったゲーツ長官に同行しているAFP特派員の話によると、同長官は短期間のイラク滞在中、マリキ首相のほか米軍司令官らと面会するという。

 バグダッドに向かう機内でゲーツ長官は、記者団に対し「率直なところ、われわれは、現在までの進展状況に失望している。最近発生した、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の犯行と見られる爆破事件が、融和に向けたプロセスのさらなる混乱や遅れの原因とならないことを望む」と語った。

 ゲーツ長官の懸念材料となっているのは、北部サマラ(Samarra)で13日に発生した、イスラム教シーア派聖廟(せいびょう)の爆破事件。同事件は、アルカイダの犯行と見られている。この聖廟(せいびょう)では、2006年初頭にも爆破事件が発生し、国内の宗派間抗争が激化、テロが続発するきっかけとなった経緯がある。激化した宗派間の抗争は現在まで続いており、多数の死亡者を出している。(c)AFP