列車とトラックの衝突事故、11人の遺体回収作業難航
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【6月6日 AFP】オーストラリア南東部のビクトリア(Victoria)州ケラング(Kerang)付近の踏切で5日、大型トラックが走行中の列車に突っ込んだ事故について6日、原因究明のための現場検証が開始された。同日、遺体回収作業も進められたが、現場の惨状のため難航している。
警察によると、死亡が確認されたのは、16歳と32歳のニュージーランド人を含む計11人。救援隊は事故現場に仮の遺体安置所を設置した。トラックとの衝突箇所では客車が引きちぎれて遺体は散乱しており、回収作業には丸1日かかった。
列車に乗り合わせたドイツ人旅行客は、豪州のテレビ局セブンネットワーク(Seven Network)の取材に対し、「足や手を失った人たちがたくさんいた。無残だった」と答えた。
地元警察のウェイン・ウィルソン(Wayne Wilson)広報担当官は、「搬送先のメルボルンの病院で1人が死亡した。残りの10人の遺体は現場で発見された」と述べた。負傷者は23人だった。トラックの運転手は生存しており、現在、警察の事情聴取を受けている。
救援隊員のShane Leerson氏によると、トラックが衝突した客車は2つに分断されている。「客車にはまだ遺体が残っている。多くの曲がった金属や鉄鋼を取り除かなければならないため、ボランティアも参加しているが時間がかかっている。こんなにひどい現場は見たことがない」と語った。
目撃者のBrian Frichotさんは、現場を「戦場のようだ」と表現した。
「列車の横に誰かが爆弾を落としたみたいだ。トラックがぶつかった部分は側面が完全に吹き飛んでいて、座席は全部床からはがれ、後部の片隅に寄っていた。ばらばらになった荷物や眼鏡、列車の一部、衣服のかけらなどが飛び散り、あちらこちらから携帯電話が鳴る音が聞こえた」
ビクトリア州のスティーブ・ブラックス(Steve Bracks)知事は、徹底的な捜査を行うと誓った。一方で、直前に事故を避ける方法はなかっただろうとも語った。また事故現場の様子について、「大惨事だ。3両の客車はめちゃくちゃにつぶれ、特に最も多くの人が乗っていた真ん中の車両の損傷はひどく、元の形がほとんど分からないほどだ。トラックの運転者が生き残ったことが信じられない」と語った。
事故に遭遇したのは列車は、現地時間5日午後1時にビクトリア州北西部のスワンヒル(Swan Hill)を出発し、午後5時09分にメルボルンのサザンクロス(Southern Cross)駅に到着する予定だった。
地元警察本部のノエル・アシュビー(Noel Ashby)副部長は、事故により「普通の人々が暮らす普通の場所」を揺るがしたと述べ、包括的な捜査による原因究明を約束した。
オーストラリア国内の踏切の多くには遮断機がなく、信号の点滅と警報だけで列車の接近を知らせるシステム。今回の事故で国内に数万か所ある踏切施設の安全性に疑問が付された。
列車の安全性改善を訴える運動を行うジョン・ヘネシー(John Hennessey)氏は、ドライバーの多くは窓を閉めたりラジオを聞いていて外部の音から遮断されているため、警報は無効だ、と指摘する。「警報とライトの点滅だけでは、事故が起こるのは当然だ」
同国最悪の列車事故は、1977年にシドニー(Sydney)のグランビル(Granville)で鉄橋に衝突した列車の脱線事故で、83人が死亡した。(c)William West
警察によると、死亡が確認されたのは、16歳と32歳のニュージーランド人を含む計11人。救援隊は事故現場に仮の遺体安置所を設置した。トラックとの衝突箇所では客車が引きちぎれて遺体は散乱しており、回収作業には丸1日かかった。
列車に乗り合わせたドイツ人旅行客は、豪州のテレビ局セブンネットワーク(Seven Network)の取材に対し、「足や手を失った人たちがたくさんいた。無残だった」と答えた。
地元警察のウェイン・ウィルソン(Wayne Wilson)広報担当官は、「搬送先のメルボルンの病院で1人が死亡した。残りの10人の遺体は現場で発見された」と述べた。負傷者は23人だった。トラックの運転手は生存しており、現在、警察の事情聴取を受けている。
救援隊員のShane Leerson氏によると、トラックが衝突した客車は2つに分断されている。「客車にはまだ遺体が残っている。多くの曲がった金属や鉄鋼を取り除かなければならないため、ボランティアも参加しているが時間がかかっている。こんなにひどい現場は見たことがない」と語った。
目撃者のBrian Frichotさんは、現場を「戦場のようだ」と表現した。
「列車の横に誰かが爆弾を落としたみたいだ。トラックがぶつかった部分は側面が完全に吹き飛んでいて、座席は全部床からはがれ、後部の片隅に寄っていた。ばらばらになった荷物や眼鏡、列車の一部、衣服のかけらなどが飛び散り、あちらこちらから携帯電話が鳴る音が聞こえた」
ビクトリア州のスティーブ・ブラックス(Steve Bracks)知事は、徹底的な捜査を行うと誓った。一方で、直前に事故を避ける方法はなかっただろうとも語った。また事故現場の様子について、「大惨事だ。3両の客車はめちゃくちゃにつぶれ、特に最も多くの人が乗っていた真ん中の車両の損傷はひどく、元の形がほとんど分からないほどだ。トラックの運転者が生き残ったことが信じられない」と語った。
事故に遭遇したのは列車は、現地時間5日午後1時にビクトリア州北西部のスワンヒル(Swan Hill)を出発し、午後5時09分にメルボルンのサザンクロス(Southern Cross)駅に到着する予定だった。
地元警察本部のノエル・アシュビー(Noel Ashby)副部長は、事故により「普通の人々が暮らす普通の場所」を揺るがしたと述べ、包括的な捜査による原因究明を約束した。
オーストラリア国内の踏切の多くには遮断機がなく、信号の点滅と警報だけで列車の接近を知らせるシステム。今回の事故で国内に数万か所ある踏切施設の安全性に疑問が付された。
列車の安全性改善を訴える運動を行うジョン・ヘネシー(John Hennessey)氏は、ドライバーの多くは窓を閉めたりラジオを聞いていて外部の音から遮断されているため、警報は無効だ、と指摘する。「警報とライトの点滅だけでは、事故が起こるのは当然だ」
同国最悪の列車事故は、1977年にシドニー(Sydney)のグランビル(Granville)で鉄橋に衝突した列車の脱線事故で、83人が死亡した。(c)William West