【6月2日 AFP】中国共産党序列6位の黄菊(こう・きく、Huang Ju)副首相(69)が2日未明、病気のため北京(Beijing)市内で死去した。国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 中国では、政府高官の健康問題は国家機密として扱われるのが通例だが、政府は2006年3月、黄副首相が病気だとして休養を発表していた。報道によるとすい臓がんを患っていたと見られる。

 黄副首相が最後に公の場に姿を見せたのは、3月に開催された全国人民代表大会(全人代、National People’s Congress)。その場で副首相は、上海(Shanghai)の党組織に対し、胡錦濤(Hu Jintao)国家主席が進める反腐敗闘争に積極的に協力するよう要請した。

 黄副首相の後任として上海市党委員会書記となった陳良宇(ちん・りょうう、Chen Liangyu)氏は汚職問題の責任を問われて解任に追い込まれた経緯がある。陳氏は、汚職により解任された共産党幹部としては、過去10数年で最も高位の人物。

 新華社通信の死亡記事のなかで黄副首相は「すばらしい共産党員、信頼を集めた忠実な共産主義の戦士で、党および国家にとって優れた指導者」と生前の功績を讃えられている。黄氏は2002年、党政治局常務委員に昇格し、経済政策を担当してきた。(c)AFP