【5月31日 AFP】地下鉄、松本両サリン事件で使われたサリンを製造したとして殺人などの罪に問われたオウム真理教元幹部の遠藤誠一(Seiichi Endo)被告(46)の控訴審で、東京高裁は31日、死刑とした1審・東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 池田修裁判長は「強い致死性を持つことを認識しながら、サリン生成に主体的に関与した」と述べ、1994年6月の松本サリン事件(死者7人)や1995年3月の地下鉄サリン事件(死者12人、負傷者数千人)など4つの事件で、被告が元教団代表の松本智津夫(Chizuo Matsumoto)(麻原彰晃、Shoko Asahara)死刑囚と共謀したと認定した。

 裁判長は「無差別大量殺人を企てた犯罪史上例をみない残虐卑劣な暴挙。社会を言いようのない不安に陥れた」と続けた。遠藤被告が「殺人の意図はなかった」と主張している点については、「被告は自らの意志で犯行に加担した」とこれを否定した。

 遠藤被告は、京都大学大学院医学研究科でウイルスや遺伝子工学を研究していた。「科学の限界」を感じていたという同被告は、博士課程を中退してオウム真理教に入信。松本死刑囚の側近として、教団内で「厚生省大臣」を務め、サリン、VXガス、炭疽菌など、細菌兵器や毒物の研究を主導した。(c)AFP