【5月30日 AFP】 経済誌『エコノミスト(Economist)』関連のグループや平和学・紛争研究の専門家らなどが、世界の平和と持続性について共同の指標づくりに取り組んだ研究、「グローバル・ピース・インデックス(Global Peace Index、世界平和指標)」が30日、発表された。日本は平和度別ランキングで世界5位だった。

 同インデックスは、世界121か国を暴力や組織犯罪、軍事支出などの要因ごとに順位付けしたもの。世界で最も平和な国として挙げられたのはノルウェーで、日本も上位に挙がった。逆に最も平和でない国はイラクで、下位にはロシアやイスラエルが連なった。

 1週間後にドイツでの開催を控えた主要8か国(G8)首脳会議の参加国の中では、英国も含め欧州のほとんどの国が平和な国として上位に集まった一方、米国は下位で、121か国中118位のロシアに近く96位だった。

 『エコノミスト』誌が関連する研究チーム、「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit)」を委託されたSteve Killelea氏は、「(この指標は)世界の指導者たちに対する警鐘です」と言う。「指標の現在下位にいる国に対し、日本やドイツといった国々は、今はトンネルの暗闇にいると思える状況でも抜けた先に光がありうる、という希望と肯定的な見方を与えることができる」と述べた。

同インデックスの賛同者には、亡命中のチベットの指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)師や、英国国教会南アフリカ聖公会のデスモンド・ツツ(Desmond Tutu)大主教、ジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領、米国の経済学者ジョセフ・スティグリッツ(Joseph Stiglitz)氏など、各界のノーベル賞受賞者らのほか、ヨルダンのノア女王(Queen Noor)が名を連ねている。

 研究全体の結果では、欧州連合(EU)圏内27か国の小国が、平和の面でより安定している。また、平和促進の鍵は、収入と教育だと研究は結論づけている。(c)AFP


<平和度ランキング 上位および下位10か国>

1位 ノルウェー  112位 アンゴラ

2位 ニュージーランド 113位 コートジボワール

3位 デンマーク  114位 レバノン

4位 アイルランド  115位 パキスタン

5位 日本  116位 コロンビア

6位 フィンランド  117位 ナイジェリア

7位 スウェーデン  118位 ロシア

8位 カナダ  119位 イスラエル

9位 ポルトガル  120位 スーダン

10位 オーストリア  121位 イラク