【5月28日 AFP】イランと米国の駐イラク大使は28日、イラクの首都バグダッドで個別会談を開始した。両国の高官級会談は、1979年のイラン革命を機に国交を断絶して以来、27年ぶり。

 米国のライアン・クロッカー(Ryan Crocker)駐イラク大使と、イランのハッサン・カゼミ(Hassan Kazemi)駐イラク大使が、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)イラク首相官邸で、イラク情勢の安定化に向けて協議する。

 しかし、イラン外務省の前日の抗議にかかわらず、イラクの危機的状況をめぐる米イラン両国大使の会談が、一致してまとまるという予測はほとんどない。

 イラン外務省は前日、同国国境付近のスパイ組織を米国が支援しているとして、イランで米国の利益代表を務めるスイス大使館のPhilippe Weltiスイス大使を呼んで抗議した。同大使はイラン側から「最近、イラン西部、南西部、中部で米情報機関に支援されたスパイ組織の活動を発見した」と告げられ、「米政府の敵対的介入に対する強い抗議」を受けたという。米国は同様の抗議について認めたことはない。

 一方で、米国は現在のイラク情勢に関し、「イラクの反政府組織や武装グループをイランの工作員が訓練し、武器を供給している」とイランに矛先を向けている。特に米軍の犠牲者3455人のうち数百人の命を奪ってきた道路脇の仕掛け爆弾を提供しているのはイラン革命軍だと、米軍司令官らは主張している。

 イラクの混乱について、イラン側は国境沿いの抗争同様、米軍主導の占領軍が問題の根源だと反論している。

 これまでもこうした非難の応酬を繰り返してきた両国は現在、イラク情勢のみならず、イランの核開発問題をめぐっても対立状態にある。しかし、28日の大使会談ではイラク問題に集中するため、核開発問題は議題から外されている。

 イラン革命で学生たちが米大使館を占拠した事件から四半世紀、両国にとって冷却関係からの脱出は困難な課題だ。(c)AFP