【5月27日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の女性宇宙飛行士が恋敵の女性空軍大尉を襲撃しようとした事件で女性2人との三角関係が明らかとなったウィリアム・オーフェリン(William Oefelein)さん(42)が、NASAの任務から外れることとなった。NASAのJim Rostohar報道官が25日、ヒューストン(Houston)のジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)で発表した。オーフェリンさんは、6月1日付で海軍に復帰する。

 オーフェリンさんと恋愛関係にあったリサ・ノワク(Lisa Nowak)被告(43)が、オーフェリンさんのもう1人の交際相手で空軍大尉のコリーン・シップマン(Colleen Shipman)さんと対決するため行動を起こしたのは今年2月。テキサス(Texas)州ヒューストンから、フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)まで1500キロの道のりを車を運転した。同被告は、途中でトイレ休憩をとらなくてすむようにオムツを着用していた。

 警察当局によれば、かつらとトレンチコートで変装したノワク被告はオーランド到着後、空港の駐車場でシップマンさんに近づき唐辛子スプレーを噴射したという。

 この事件はメディアに大きく取り上げられ、「Astronaughty」「Space Oddity」「Lust in Space」「Astronut」といった見出しで大々的に報じられた。

 3児の母親であるノワク被告は、「誘拐未遂」のほか、「窃盗未遂」「暴行」の罪に問われており、すでにNASAは同被告に解雇を通告している。

 Rostohar報道官は、「海軍とNASAは、オーフェリンさんのNASAでの任務終了に合意済み」と述べ、「NASAはオーフェリンさんの任務が不要になったと判断した」と補足したが、詳細は明らかにしなかった。

 NASAの発表によると、オーフェリンさんは2006年12月9日から同22日まで、スペースシャトル「ディスカバリー(Discovery)」のミッションにパイロットとして参加している。私生活では2児の父親で、現在は離婚している。

 裁判所の記録によれば、ノワク被告がオーフェリンさんとの性的関係を始めたのは2004年。両者とも既婚だった。厳格な軍の規律に従えば、ノワク被告とオーフェリンさんは「士官としてふさわしくない婚外行為」をしたとして軍法会議に付される可能性がある。

 9月に予定されている審理ですべての罪について有罪の判決を受けると、ノワク被告は終身刑を宣告される可能性もある。(c)AFP