【5月26日 AFP】アル・ゴア(Al Gore)元副大統領が25日、メディアのセレブのゴシップネタは「低次元でばかばかしい」と非難し、イラクや気候変動について目を向けるべきであると、1300人以上のファンが集まった自身の新著『The Assault on Reason』のサイン会で訴えた。

「メディアは公開討論会などで時間を費やし物事を決定する際の意志決定プロセスの一部となるべきではないか。それともブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)が頭を丸刈りにしたとかパリス・ヒルトン(Paris Hilton)が刑務所行くというような情報を流すためのものなのか?」とゴア氏は疑問を投げかけた。

 ゴア氏は「ニュースとエンターテインメントとの境界線の崩壊」を嘆いており、米国は「大衆の民主主義が弱く、放心状態が続いている」と語った。

 彼の新著は米国政府の気候変動への取り組みとイラク戦争を並行して描いている。

 ゴア氏は「イラク侵攻の前に手に入れることのできた事実のように、気候変動の危機に対する事実は、何度も無視され続け都合の悪いものとされてきた。両事実共に無視されてきたのだ」と述べた。

 ゴア氏は2000年の大統領選挙に敗れて以来、地球温暖化への運動家として活動に従事し、2008年の大統領選挙に立候補するとの予想に反しこの活動を続けていくと話している。

 ゴア氏は、気候変動へ注意を喚起した功績が認められノーベル平和賞にノミネートされ、地球温暖化を著したベストセラー著書『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』を元に制作された映画は今年度の第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)を受賞した。(c)AFP