【5月26日 AFP】JR東海は今週、JR西日本と共同開発した新型新幹線N700系のプレス試乗会を開いた。世界最多の乗客数を誇る東京と西日本を結ぶ同新幹線は、環境に優しくさらに快適になった。7月1日午後8時10分に運行が開始され、2010年まで徐々に導入を進める。

 総開発費2600億円を投じたN700系は最高速度300キロ、速さではフランスの高速鉄道TGVに及ばず、従来の新幹線とも大差はないが、東海、西日本両JRの合同開発チームは、速度よりも快適性の向上と環境への適合を目指した。

 京都議定書ゆかりの地、京都にも停車するN700系は、従来型と比較して消費電力量を19%削減。同社は「(N700系は)消費電力と二酸化炭素排出量を実質的に削減できたため、地球温暖化防止に大きく貢献するだろう」と述べる。

 N700系のグリーン車の快適さは、飛行機のファーストクラスの快適性に迫る。ゆったりとした座席は120度までリクライニングでき、調節可能なフットレストと15センチのアームレストを採用。また電子機器を多用する乗客のニーズに対応するため、各座席にはコンセントを(ファーストクラスには2つ)設置。音楽鑑賞用にヘッドホンプラグも装備する。

 新しい新幹線では喫煙車両は用意されていないものの、いくつかの車両には区切られた(換気機能付き)喫煙ブースが導入予定となっている。

 新幹線は、日本の戦後復興を象徴する東京五輪開催の1964年に運行が開始され、日本の経済大国への道を歩み始めた時期と重なっている。フランスのTGVに先駆けること17年だが、今年3月に運転を開始した最新のTGVはパリ-ストラスブール間を平均時速320キロで走り、鉄道の走行速度では世界最高となっている。(c)AFP