【5月24日 AFP】サッカー、欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)・決勝、ACミラン(AC Milan)vsリバプール(Liverpool)。試合はミランが2-1で勝利を収め、2002-2003シーズン以来4季ぶり通算7度目の優勝を飾った。

 イスタンブールで開催された2004-05シーズン大会の決勝でもミランと対戦し、前半に3点を奪われながらも後半僅か6分間で同点に追いつき、PK戦で勝利を収めるという大逆転劇を演じているリバプールは、ディルク・カイト(Dirk Kuyt)を1トップに据えて中盤を厚くし、スティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)をより攻撃的な位置に配した選手起用が功を奏し、前半10分にジャーメイン・ペナント(Jermaine Pennant)が決定機を迎えるなど立ち上がりから攻勢をかけ、その後も試合を支配する。

 一方、フィリッポ・インザーギ(Filippo Inzaghi)をワントップに配し、カカ(Kaka)とクラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)をその背後に並べて臨んだミランは、序盤にカカがゴール中央の位置から放ったミドルシュート以外はチャンスを作れず劣勢を強いられていたが、前半終了間際にカカがゴール中央で倒されて得たアンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)のフリーキックがインザーギの肩に当たってゴールに吸い込まれ、ワンチャンスをものにしたミランが前半を1点リードして折り返す。

 1点を追うリバプールは、後半14分にボウデビン・ゼンデン(Boudewijn Zenden)に代えて故障明けのハリー・キューウェル(Harry Kewell)を、同33分には中盤のハビエル・マスケラーノ(Javier Mascherano)に代えてピーター・クラウチ(Peter Crouch)を投入するなどより攻撃的な姿勢を鮮明にしたが、ミランは後半37分にカカからのスルーパスに抜け出したインザーギがGKホセ・マヌエル・レイナ(Jose Manuel Reina)をかわしてゴールに流し込み、勝利を大きく引き寄せる2得点目をマーク。その後、試合終了間際にコーナーキックからカイトにヘディングで1点を返されるもこのまま逃げ切ったミランは、イスタンブールの雪辱を果たすと同時に通算7度目のビッグイヤーを獲得した。

 試合後にミランのガットゥーゾは「今回は2年前とは逆でリバプールが涙を呑む結果になったが、イスタンブールでの屈辱は一生忘れることはないだろう」とリベンジの思いを語り、また、自身通算4度目のビッグイヤー獲得となったセードルフは「このチームの一員であることを誇りに思う。06-07シーズンはとても難しいシーズンだった。決して素晴らしい内容とは言えなかったが、運を味方につけチャンスをものにしたことが勝因となった」と語り、セリエAの一連の八百長疑惑により当初は大会参加自体が危ぶまれていた今回大会での優勝の思いを口にした。

 一方、リバプールのラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)監督は「ロスタイムの少なさには不満だがミランは賞賛に値する。ウインガーを2枚中盤で起用し数多くのチャンスを作った前半はイスタンブール以上のサッカーを見せたが、先制点を許し全てが変わってしまった。我々は過去3大会で2度もこの舞台に立っている。来シーズンもこのファイナルの舞台に戻ってくるつもりだ」と語り、雪辱への思いを口にしている。(c)AFP