元スパイ毒殺事件、英検察が容疑者引き渡し要請へ、露は拒否の意向
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【5月23日 AFP】昨年11月にロンドンで発生したロシア連邦保安局(FSB)元情報局員アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏の毒殺事件について、英検察当局は23日、ロシア政府に対する容疑者引き渡し令状を準備中であることを明らかにした。一方、ロシア政府は前日、引き渡し要請があっても拒絶すると断言している。
英国の公訴局(Crown Prosecution Service、CPS)は22日、リトビネンコ氏が不調を訴えた日に同氏とロンドンで面会した旧ソ連国家保安委員会(KGB)元将校で、ロシア人実業家のアンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏について、容疑者と断定するに十分な証拠があると発表した。英国での裁判のため、数日以内に正式な身柄引き渡しを要請するとみられる。
一方、ロシア政府は、英当局からルゴボイ氏の引き渡し要請があっても拒絶する意向を22日に発表していた。すでにこじれた状態にある英露関係のさらなる悪化を懸念する声もあるが、ロシアのセルゲイ・イワノフ(Sergei Ivanov)副首相兼国防相は23日、「リトビネンコ氏の死と、英露関係全般の発展に大きな関連があるとは思わない」と述べ、引き渡しを拒否しても外交関係に影響はないとの見解を示した。
ロシア側の拒絶は英当局も予測していた。英外務省広報官は「現在は数日以内にロシア当局に令状を渡し、反応を待つ段階だと思う。公式な要請を相手側に届けた後は、公式な反応を待つだけだ」と語った。しかし、外務省筋はあくまで「届け役」を担うだけで、引き渡しを要請するのは英検察局である点を強調した。
英公訴局の広報担当官によると、引き渡し令状が出るのに数日以上かかる見込みは少なく、早ければ23日中にも出される。
元FSB中佐の故リトビネンコ氏は生前、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)ロシア大統領に対する痛烈な批判者として知られ、ロンドンで亡命生活を送っていた。(c)AFP