【カンヌ/フランス 16日 AFP】カンヌ国際映画祭での公開を目前に控えたマイケル・ムーア(Michael Moore)監督最新作『シッコ(Sicko)』のフィルムを、米政府の干渉の手が及ばない場所に隠したと16日、関係者が明らかにした。

■米国外の「秘密」の場所に・・・

 米医療業界や医療関係者を痛烈に批判する最新作『シッコ』を手掛けた映画会社ワインスタイン・カンパニー(Weinstein Company)の広報担当は、「作品のフィルムを、米国外の秘密の場所に隠した」とコメントした。

 今年2月、ムーア監督は撮影のために9.11同時多発テロで救出活動にあたった救助隊員をキューバに連れて行き、医師の治療を受けさせた。しかし、現在米国はキューバに対し禁輸措置をとっており、米一般市民のキューバ訪問を禁止している。この規定を違反した場合は数千ドルの罰金が科せられる。

 このため、米財務省は、ムーア監督が対キューバ禁輸政策に抵触した恐れがあるとして調査を行っている。

■ブッシュ政権の圧力か

 ワインスタイン・カンパニーのオーナーである映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏は、「米財務省からムーア監督に宛てられた通達は、ブッシュ政権が『シッコ』にマイナスのイメージをうえつけようとしていることを示唆している」と語る。

 同氏は「土曜日のカンヌで予定通り同作品のプレミア上映会が行われるように、我々は威信をかけてできることの全てをやっている」と締めくくった。

写真は、第31回トロント国際映画祭で『シッコ』の上映会&ディスカッションに登場したムーア監督。(2006年9月8日撮影)(c)AFP/Getty Images Jim Ross