【トルクメンバシ/トルクメニスタン 12日 AFP】中央アジアを歴訪していたロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、カザフスタンのヌルスルタン・A・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)大統領、トルクメニスタンのグルバングリ・ベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhammedov)大統領と共に12日、カスピ海周辺地域に画期的なガスパイプラインを建設することで合意した。

■カスピ海沿岸に沿いにロシアへ至るパイプラインを新設
 
 このパイプラインは、トルクメニスタンからカスピ海沿岸に沿い、隣国カザフスタンを経由しロシアに至るルートを通る。プーチン大統領によれば、本格的な工事着工は2008年の前半になる見通しだ。 

 プーチン(Vladimir Putin)大統領は、「我々は(年間輸送能力)100億立方メートルのガスパイプラインを新設する。合意文書は今年7月までに署名されるだろう」と述べ、この地域のガス輸出が増えるとの見方を示した。

 また、ベルドイムハメドフ大統領は、「新しいパイプライン計画は、全ての関係国に、明確な利益をもたらすだろう」とし、「合意で定められた量のトルクメニスタン産ガスの確実な輸出を保障する」と述べた。新パイプライン建設が実現すれば、トルクメニスタンに新設されるガスパイプラインとしては1970年代以来となる。

 新パイプラインの輸送能力は明らかにされていないが、既存のパイプラインの復旧により、年間輸送能力を現状より50億立方メートル増強できるとしている。


■3か国はウズベキスタンとの連携にも合意
 
 プーチン大統領は、カスピ海周辺地域における米国と欧州の影響力に対抗するため、一週間の日程で、中央アジア歴訪を行っていた。3大統領の会談は、この歴訪中に行われた。

 3者は新パイプライン建設のほか、ウズベキスタンのイスラム・カリモフ(Islam Karimov)大統領とも連携して既存のパイプラインを復旧。中央アジアのガス輸送能力を増強するという共同宣言も発表した。

 米国はカスピ海を横断するガスパイプライン建設を主張していた。今回の合意はロシアが大きな勝利を挙げたかたちとなった。

 写真は同日、トルクメンバシ(Turkmenbashy)で開かれた首脳会談で握手を交わす、プーチン大統領 (中央)とトルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領(右)、カザフスタンのベルドイムハメドフ大統領。(c)AFP/ITAR-TASS POOL/ PRESIDENTIAL PRESS SERVICE