【サンホセ/コスタリカ 12日 AFP】首都サンホセ(San Jose)のロシア大使館で11日、武装したキルギス人の男が人質を取り立てこもった事件で、男は約4時間後、人質を解放し、警察が身柄を拘束した。

■犯人は投降、大使は「人質事件」を否定

 現地警察は、武装した男がValery Nikolaenko駐コスタリカ・ロシア大使を含む9人を人質に大使館に立てこもったとの通報を受け、大使館を取り囲んでいた。

 Nikolaenko大使は、男が警察に投降する直前に大使館内から現地テレビ局に電話をかけ、事件は2人の人物の私的な論争から始まったもので人質事件という報道は誇張されたものと主張したが、一方の男が武装していたことは認めている。

 地元テレビは、大使館から黄色いレインコートに身を包んだ2人の人物が警官に連行される様子を放映した。警察当局も事件の解決は解決したと発表した。

■犯人はキルギス出身の男性と母親?

 事件は現地時間の12時30分ごろ、20歳ぐらいの男が母親とパスポートの更新を求めロシア大使館内に入った後に発生した。

 地元テレビ局は、男の氏名をRoman Bordayanと報じている。同テレビ局によると、男はかつてソビエト連邦の一部だったキルギス(現在のキルギス共和国)出身で、コスタリカにこの1年ほど滞在していたという。

 男とその家族は、インターネットでコスタリカの土地取引への出資を申し込み同国に渡ったが、話が詐欺まがいだったことで財産を失った。また、キルギス国籍であることを理由にロシア大使館でパスポートを更新することを拒否されたという。

 男は大使館に入った後、守衛から銃を奪い9人を人質にとり、5万ドル(約600万円)を要求した。

 写真は同日、サンホセのロシア大使館から警察特殊部隊員に連行される黄色いレインコートに身を包んだ人物。(c)AFP/Yuri CORTEZ