【パリ 7日 AFP】米国フィラデルフィア(Philadelphia)のテンプル大学(Temple University)医学部の研究チームが、地雷の含有成分に反応して緑色に変化するビール酵母の遺伝子組み換えに成功した。7日、英科学誌「Nature Chemical Biology」のインターネット版に掲載された。

 パン生地の発酵やアルコール醸造に使われる出芽酵母(サッカロマイセス・セレヴィシエ)の遺伝子を組み換え、空気中のDNT分子に反応する「嗅覚路」を備えることに成功した。

 2-4ジニトロトルエンという物質名を持つDNTは、TNT爆弾の製造時に出る残留物。爆発物探知犬も、このDNTをかぎ分けることで爆発物を発見する。

 論文によると、マウスの遺伝子をビール酵母のゲノムに接合した結果、ビール酵母細胞の表面がDNTに反応するようになったという。

 この「鼻」がDNTを検出したことを視覚的に確認するため、DNTと接触すると蛍光緑に変色する遺伝子をさらに加えた。研究チームによれば、現在はまだ実験段階だが、分子認識組織を利用した生物化学大量破壊兵器の検出装置「バイオセンサー」を補足する有効な手段になりうるという。

 写真は、ドイツ南部ミュンヘン(Munich)のビアガーデンで日暮れにビールを楽しむ人々(2007年4月12日撮影)。(c)AFP/DDP/ASCHA SCHUERMANN