【京都 6日 AFP】日本政府は6日、京都で開催されているアジア開発銀行(Asian Development BankADB)の総会で、アジア地域の急速な経済成長が地球温暖化ガスの排出を加速するとして、同地域のクリーンエネルギー事業の促進などを目的に、最大1億ドル(約120億円)を拠出することを明らかにした。政府はまた、環境変化に対応した維持開発と対策のため、今後5年間で総額20億ドル(約2400億円)の円借款を供与する。

■持続的アジア経済の成長に欠かせない環境への投資

 総会の席で尾身幸次財務相は、「世界経済におけるアジアの役割が大きくなるに従い、アジアから排出される二酸化炭素(CO2)が環境に与える影響は増大する」と述べた。
 また、現在、アジアが全世界の30%のエネルギーを消費していることに触れ、「2030年には現在の2倍になると予想される」と指摘。「より効率的なエネルギー活用とCO2排出の削減が、アジアのみならず世界規模での持続的経済成長のために欠かせない」と語った。

 また、アジア開発銀行は4日、2007年度と今後2年間に9億ドルもしくはそれを若干上回る金額を、中国、インド、パキスタン、フィリピン、およびベトナムでのクリーンネルギー事業に投資すると発表している。

■ADBの環境保護への取り組みは不十分とNGOは批判

 これに対し、グリーンピースなどの環境保護団体は「アジア開発銀行が進めようとする事業は、その多くが依然として、化石燃料を使ったエネルギー関連に向けられている」として非難を強める。

 グリーンピースは声明の中で、「アジア開発銀行は、気候変化への取り組みを促進すると発言しながらも、最も環境への影響が大きい石炭使用の支持するという、明らかな矛盾を停止しなければならない」と批判している。

 写真は同日、京都で開催された第40回アジア開発銀行総会の開会式で演説をする総会議長を務める尾身財務相。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA