【リスボン/ポルトガル 6日 AFP】リゾート地、Praia da Luzのホテルから英国国籍の3歳の少女が誘拐されたとされる事件で、英警察捜査官が5日、捜査協力のためポルトガル入りした。

 Madeleine McCannちゃん(通称マディー<Maddie>ちゃん)は3日夜、両親が近くのレストランで食事をする間、ホテルの部屋でと2歳の双子の弟と妹と一緒に寝かしつけられていた。

 英国中部の町レスター(Leicester)で共に医師として勤務する両親のゲリーさん(38)とケイトさん(38)は、夜10時ころ食事を終え部屋に戻ったところ、マディーちゃんは部屋から姿を消していた。部屋の扉と窓は開いていたという。

 ポルトガル捜査当局はこれまで聞き取り調査を30人ほどに行い、情報提供などの電話も3万件ほど寄せられた。当局は最終的に5日朝、マディーちゃんの失跡が誘拐によるものと確信したと発表した。

 現地警察のGuilhermino Encarnacao副署長は報道陣らに、「誘拐を裏づける詳細をつかんだ。犯人に対し少女の開放を求める」と話している。

 現在150人の警察官が動員されマディーちゃんの捜索が続けられている。

 捜査当局は容疑者のモンタージュ写真を作成したが、現在のところ少女の身の安全を重要視し、公開していない。捜査関係者は容疑者が依然ポルトガル国内に潜伏しているとみている。

 捜査当局は5日夜、予定されていた記者会見を、公表すべき新たな情報が無いことを理由に取りやめた。

 マディーちゃんの両親は市民らに対し、娘を取り返す協力を求めて苦悩に満ちた嘆願をした。同国の5日の朝刊各紙の一面にマディーちゃんの写真が掲載されている。

 John Buck駐ポルトガル英国大使は、ポルトガル入りした英国捜査当局の捜査官3人が、ポルトガル警察とマディーちゃんの両親の間、および両国警察間で捜査の調整役に当たると話している。

 写真は、Praia da Luzのホテルから失跡したマディーちゃんの写真。(c)AFP