タイム誌「世界で最も影響力を持つ100人」発表 - 米国
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【ニューヨーク/米国 4日 AFP】米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が初めて、タイム(Time)誌の「世界で最も影響力を持つ100人(100 Most Influential People)」の選に漏れた。同大統領の低迷する政治力を示す新たな出来事と言えそうだ。このリストを掲載した号は4日に発売される。
ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)、ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)、さらに映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の製作者サシャ・バロン・コーエン(Sacha Baron Cohen)さえ選ばれたが、ブッシュ大統領は選ばれなかった。
タイム誌の副編集長アディ・イグナティアス(Adi Ignatius)氏は、ブッシュ大統領の選定を見送った理由として、「私は現時点のブッシュは、大統領職が彼に自動的に与えてしかるべき影響力さえ持っていないと思う」とAFPに語った。
「彼はレームダックだ…しかし普通ならレームダックの大統領でももう少し影響力があるものだ。影響力について言えばブッシュは今、最低の時期にあると考えた」
しかし、ほかの政治家はエンターテナー、慈善活動家、スポーツ選手、企業家などの部門などに多数選ばれている。最も目立つのは民主党大統領候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)とバラク・オバマ(Barack Obama)だ。
「アーティストとエンターテナー」部門にはハリウッドの重鎮マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)、ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett) 、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)、ファッションモデルのケイト・モス(Kate Moss)が選ばれた。
ポップスターのジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)はセネガル出身のミュージシャン、ユッスー・ンドゥール(Youssou N’Dour)と共に掲載された一方、アル・ゴア(Al Gore)米国元副大統領は「科学者と思想家」部門で選ばれた。
このリストは「その能力、才能、意思が世界を変えている人々」として作成された。順位はなく、選出理由も明らかにされていない。
米国のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官が執筆した「リーダーと革命家」部門にはエリザベス2世(Queen Elizabeth II)、イスラエルのティピィ・リブニ(Tzipi Livni)外相が選ばれている。ライス氏自身も4年連続で選ばれた。
アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)カリフォルニア州知事はキューバの指導者フィデル・カストロ(Fidel Castro)の弟であるラウル・カストロ(Raul Castro)、インドの政党党首ソニア・ガンジー(Sonia Gandhi)、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席と並んで掲載された。
この他、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師、 ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長、劉淇(Liu Qi)北京五輪組織委員会主席が選ばれた。
反アパルトヘイト活動家ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)が執筆した「ヒーローとパイオニア」部門で選ばれた米国のトークショーホスト、オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)は、ライス米国務長官を除けば唯一、4年連続で選出された。
ヒーロー部門には富豪で投資家のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)、 テニス選手のロジャー・フェデラー(Roger Federer)、サッカー選手のティエリ・アンリ(Thierry Henry)、中国のオンライン活動家曾金燕(Zeng Jinyan)が選ばれた。
写真は、「世界で最も影響力を持つ100人」を掲載する4日発売のタイム誌2007年5月14日号。(2007年5月2日入手) (c)AFP/TIME