【北京 4日 AFP】中国最大規模の音楽祭「迷笛現代音楽節(Midi Modern Music Festival)」が1日より4日間の日程で開催されている。共産党政権からは長年、中国文化に反する危険分子と見られてきたロックと環境保護運動だが、今年のこの音楽祭は、史上最高の盛り上がりを見せている。

 中国で初めてロック、ラップ、ジャズ、テクノ、ブルースなどの現代音楽を教える迷笛音楽学校(Midi Modern Music School)のイベントとして2000年にスタートしたこの音楽祭は、今年で8回目を迎える。

 期間中、会場となるHaidian Parkでは、約90組の参加バンドが5つのステージでパフォーマンスを披露。初日は5万人以上の観客が集まり、残りの3日間でも3万人の来場者が見込まれている。

 「ここでは若者と音楽がすべてです。若者が良い音楽に触れれば、さらに多くの仲間を連れて集まってきてくれます」と語るのは同音楽祭実行委員のZhang Fan氏。
「今年は前年に比べ、来場者の数は3倍になりそうです」

 しかし今年は、音楽という要素にもう一つ、環境保護という要素が加わった。国際環境保護団体「グリーンピース(Greenpeace)」が共催を務め、来場者に環境保護に関する意識を高めてもらうことを目的の一つとしているのだ。

 Brain Failure、%Catcher in the RyeReflectorのような参加バンドは、このイベントのために環境保護を歌った楽曲を制作。さらに最終日となる4日には、グリーンピースの賛歌「Go Green」を、元ユーリズミックス(Eurythmics)のフロントマン、デイブ・スチュアート(Dave Stewart)や歌手のイモージェン・ヒープ(Imogen Heap%%)が歌う予定。

 ロックと環境保護という2つの要素は、中国国内で徐々に支持を集めつつある。ロックはこれまで共産党政権下で受け入れられず、グリーンピースの中国支部が許可されたのは最近になってからだ。

 「グリーンピースとロックを融合させる。これは全く新しいイベントです」Zhang氏は語った。
「中国は環境保護に関する意識を高める必要があり、このイベントはそのための良い手段になります」

 グリーンピースは、この音楽祭のために300人の学生をボランティアとして集めた。また、環境保護を促すバンドのビデオクリップが、会場内の巨大スクリーンで流される。

 「ロックは中国ではいまだに新しい文化です。そして環境保護も中国では新しい話題です。この2つを合わせることは、良い試みだと思います」グリーンピース中国の広報担当Yu Xin氏はAFPに対し語った。
「ロックは若者に良く受け入れられます。そしてその若者が、中国が直面している環境問題という重要事項に関心を持つことは、とても重要なのです」

 グリーンピースはさらに、地球温暖化の影響を描いた独自のドキュメンタリー作品「The Planet」を、この音楽祭の会場内で常に上映している。

 これまでこの音楽祭は、共産党政権による厳しい規制を受けてきたが、ロックは徐々に中国人に受け入れられているとZhang氏は語る。さらに、迷笛音楽学校では現代音楽に関わるミュージシャンを育てることに焦点を当てながらも、ロックが持つ反社会的な性質を避けてきたという。

 「この音楽祭の役割は、ロックが危険なものではないと政府に理解してもらうことでもあります」

 「政府関係者や警官が会場に来ていました。彼らは会場内すべてを見て回りましたが、安全対策にとても満足していましたよ」
 
 写真は2日、会場に押し寄せ、盛り上がりを見せる観客たち。(c)AFP/Frederic J. BROWN