【テヘラン/イラン AFP】イスラムの服装規定にそぐわない身なりへの取り締まりが強化される中で、テヘランの理髪店では男性に「型破りな欧米風ヘアスタイル」を提供することが禁止になりそうだ。

警察が地元富裕層の間で流行している欧米風ヘアスタイルに対して禁止令を公布。地元紙「Etemad」が、これに対する理容組合代表のコメントを掲載した。

■欧米式ヘアスタイルは「型破り」

組合代表のムハンマド・E・ファルド（Mohammad Eftekhari-Fard）氏は「外国風のヘアスタイルに仕上げるために、欧米式の散髪方法を取り入れる理髪店が最近増えている」と語る。

「型破りな髪型については当局から繰り返し注意をされている。社会の基準を乱すような髪型を提供する理髪店は、今後組合からのサポートを受けられなくなるだろう」とファルド氏。

どんなヘアスタイルが取り締まり対象となるのか、ファルド氏は明らかにしなかった。しかし、テヘランの青年の間で流行しているスタイリングジェル、肩までの長髪、つんつんにとがらせたヘアスタイルは、イランの保守派を混乱させているようだ。

また、理髪店で眉毛を整えることや、化粧を施すことも禁止されている。

■服装規定は、女性のみでなく男性にも適用

イスラムの服装規定に違反したとして取り締まりにあった女性らに対し、先週には何千枚もの警告書が手渡された。

この取り締まりは、女性に対してだけでなく男性に対しても適応されると当局は強調している。短かすぎたり、タイトすぎるTシャツを着ている人や、‘型破りな’髪型をしている男性が検挙されるのだという。

■ネクタイを着けての理髪店入店も禁止

「テヘランの全理髪店の中で、規律に反しているのはたった5％。彼らは厳しく監視され、場合によっては営業許可を最低1か月以上取り上げられることもありえる」

「欧米帝国主義の象徴として非難の対象となるネクタイや蝶ネクタイを身につけた客は、理髪店に入ることも禁止されることになるだろう」とファルド氏。

　写真はテヘラン市内で2007年4月29日に撮影された欧米風ヘアスタイルの男性。(c)AFP/ATTA KENARE