【モスクワ/ロシア 26日 AFP】ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は26日、東西両陣営の通常兵力削減を目指した「欧州通常戦力(Conventional Forces in Europe、CFE)条約」について、ロシアは履行義務を凍結すると発表した。

 ロシアの上下両院合同会議で行った年次教書演説のなかで同大統領は、「ロシアはCFEの履行を一時停止する」と宣言した。

 プーチン大統領は、ロシアはCFE条約の調印、批准の両方を行い、現在も各項の実施へ向けて努力を継続しているにも関わらず、「西側諸国はCFEの批准さえもしていない」と批判した。

 CFEは1990年、北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構(Warsaw Pact、1991年解体)が東西両陣営の通常兵力削減を目指して調印した条約。各加盟国に対し削減割り当てに応じて戦車、装甲戦闘車両、重火器、戦闘機、攻撃ヘリコプターなどの廃棄を求めた。兵力も全体で570万から300万以下への削減を目指し、査察を義務づけて透明性を確保するとしている。

 同条約の調印式は1999年、トルコのイスタンブール(Istanbul)で行われたが、批准したのはロシアを含む4か国のみだった。
 
 写真は26日、報道陣を前に年次教書演説をするプーチン大統領。(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV