【モスクワ/ロシア 26日 AFP】ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は26日、次の大統領選挙前として最後となる年次教書演説を行う。これまで2期8年の総括と、次期大統領が優先的に取り組むべき課題などが示されるとみられるほか、自身の実績をどう評価するかが注目される。

 今回の年次教書演説では、2006年5月に行われた前回の年次教書演説以降の総括も行われる。

 これまで、前任者の失政はあくまで前任者の責任としてきたプーチン大統領だが、ボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)の死去を受け行った23日のテレビ演説では、沈痛な面持ちで前大統領を讃える言葉を述べた。
 「ロシアに新しい時代をもたらした人物が亡くなった。その功績により、民主的な新しいロシア、世界に開かれた自由な国、権力が国民に属する国が生まれたのだ」

 大統領は25日を全国的な服喪の日とすることを呼びかけ、壮大な葬儀の計画を発表したが、これは前大統領の実績を支持するロシア政府の姿勢を示すものと専門家らは分析する。

 プーチン大統領にとって8回目となる今回の年次教書演説は、今後1年間の政府の基本政策を示すもので、当初は25日に予定されていたが、前大統領の死去に伴い1日延期されていた。今回の演説は、任期満了の2008年以降もプーチン大統領が同職に留まる意向であるかどうかが示される可能性が注目されている。だがその場合は、大統領の三選を禁じたロシア憲法の改正が必要になる。

 プーチン大統領は以前から三選を否定しているが、 セルゲイ・ミノロフ(Sergei Mironov)上院議長は3月に行った演説で、地方議会において憲法の三選禁止規定の撤廃を議論すること示唆した。

 国内では、社会的安定と経済的繁栄をもたらしたプーチン大統領の人気は高いが、エリツィン前大統領が目指した民主主義に逆行していると批判する評論家もいる。

 一方、民主化に伴う厳しい貧困や泥沼化したチェチェン戦争などにより、エリツィン前大統領の人気も高いとはいえない。

 写真は25日、モスクワのクレムリンでエリツィン前大統領の葬儀に参列するプーチン大統領夫妻(左)と故エリツィン前大統領のナイナ夫人(右)。(c)AFP/ITAR-TASS POOL/PRESIDENTIAL PRESS SERVICE