【ロサンゼルス/米国 25日 AFP】フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフ(Edith Piaf)が、死後44年たった今、米国で再びブームとなりそうな気配である。

 ピアフの波乱の生涯を描いたフランス映画「La Mome(英題:La Vie en Rose)」が、まもなく米国で公開される。前評判が高く、早くも来年度のアカデミー賞(Academy Awards)候補作との呼び声が高い。

■かつての「ピアフ熱」が再燃?

 1963年にガンのため47歳で亡くなったピアフは、米国で1950年代に圧倒的な人気を博し、エド・サリバン・ショー(Ed Sullivan Show)に8回出演、カーネギーホール(Carnegie Hall)でも2度コンサートを開いた。

 そうした「ピアフ熱」は彼女の死後に色あせていったが、オリヴィエ・ダアン(Olivier Dahan)監督、マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)主演のこの映画でピアフ熱が再燃するのではと注目されている。

 16-22日にハリウッド(Hollywood)で開催された「第11回COL・COAフランス映画祭(French film festival, City of Light-City of Angels)」では、同映画のチケットが上映10日前に完売した。こうしたことから、映画祭のFrancois Truffartディレクターは、同映画を2回上映することにしたという。

 同映画は、フランス国内では500万人を動員し、「アメリ(Amelie of Montmartre)」や「ロング・エンゲージメント(A Very Long Engagement)」に並ぶ大ヒットとなることが予想されるが、ダアン監督はこれについて、「みんながこの映画を観てくれればと思う」と控えめなコメント。

■意見分かれる、興行の成功

 一方、地元ロサンゼルスの芸能記者で元ピープル(People)誌フランス特派員のJoel Stratte-McClure氏(58)は、「ピアフ再ブーム」には否定的だ。
 「われわれ世代の人間にとって、すでにピアフは過去の人」

 また、短編映画「West Bank Story」でアカデミー賞短編実写賞を受賞した映画のプロデューサー、Pascal Vaguelsy氏は、「フランス映画ファンは、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコといった大都市の5万人ほど。『La Mome』が成功するには、大都市以外の人々にも受け入れられなければならない」と述べた。

 しかし、Truffartディレクターは、「ピアフ効果」を過小評価してはならないという。
 「ピアフは米国で非常に有名なアーティストだった。ピアフ役のマリオン・コティヤールの演技もすばらしい。米国の観客には演技がすべてであり、観客は彼女の演技に完全に魅了されている」

 主演のコティヤールは、若い世代におけるピアフの知名度の低さが映画の魅力を半減させるとしながらも、「彼女が何者かを知る必要はない。彼女の才能、情熱そして感情のほとばしりがすべてを物語る映画なのだ」と語る。

 写真は生前のピアフ(撮影日不明)。(c)AFP