【ワシントンD.C./米国 25日 AFP】「知能指数(IQ)の高さは経済力とは関係がない」という研究結果が24日、学術誌に発表された。平均的なIQの持ち主も、より高いIQの持ち主と同程度の経済的水準にあるという。

 この研究を「Journal Intelligence」誌に発表したオハイオ州立大学のJay Zagorsky氏は、「頭がよいからといって裕福になるわけではない」と述べる。

 米労働省労働統計局では1979年以来7403人を対象に継続的な調査を実施している。2004年の報告によると、現在40代半ばの人々について、IQと経済力との間には何の関連性も見られなかった。

「IQと経済力には何の関連性もない。したがってどれだけ知能指数が高くても経済的に困窮することもある」とZagorsky氏は述べる。

 研究では、IQの高い人ほど高収入となる傾向を示した前回の調査について間違いではないとする。だが同時に、収入と「経済力」との違いを指摘する。

「平均的なIQレベル(100)の人とIQレベル上位2%(130)の人の平均年収には現在、6000ドル(約71万円)から18500ドル(約220万円)程度の差が見られる。しかし総資産や経済的困窮に直面する可能性について、IQレベルによって大きな差異は見られない」。

 研究では、経済的な「問題」についても同様であるとしている。限度額を超えるクレジットカードの使用、自己破産、各種料金の滞納などは、様々なIQレベルの人々に見られる問題であると位置づけている。 

 写真は積まれたドル紙幣とユーロ紙幣(2004年11月19日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Chris Hondros