【モスクワ/ロシア 23日 AFP】欧州歴訪中の米国のロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官が23日、欧州のミサイル防衛計画でロシアとの共同研究などを提案したが、ロシア政府は計画は地域の深刻な不安定要因になると反発して、両者の溝は埋まらなかった。

■協議の継続では合意

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領、セルゲイ・イワノフ(Sergei Ivanov)第一副首相、アナトリー・セルジュコフ(Anatoly Serdukov)国防相との会談を終えたゲーツ国防長官は慎重ながらも交渉の継続に楽観的な見方をしめした。

 両国はミサイル防衛に関する研究開発の協力、早期警戒システムのデータ共有、システムの共同運用については協議を継続することで合意した。

 また、ゲーツ長官はロシアと共同でレーダーを設置する可能性にも言及した。

■ロシアの冷淡姿勢変わらず

 ゲーツ長官が楽観的見方を示す一方で、ロシア側は冷淡な態度を崩していない。セルジュコフ国防相は、米国のミサイル防衛計画に対する姿勢は「以前となんら変わらない」とする声明を読み上げた。

 イランのミサイルの脅威が増大しつつあると考える米国は、ヨーロッパでミサイル防衛計画を推進している。ゲーツ長官がヨーロッパ諸国歴訪の最初の訪問地にロシアを選んだのは、この問題で緊張した米露関係を改善するため。

 ロシアが特に強く反発しているのは、ロシア領土に近く、かつてモスクワの支配下にあったポーランドに迎撃ミサイル10基、チェコ共和国に追跡レーダー1基を配備する計画。

写真は同日、モスクワのクレムリン(Kremlin)宮殿で談笑するゲーツ長官(左)とプーチン大統領。(c)AFP/Mikhail Metzel