【東京 24日 AFP】英国人ホステス、ルーシー・ブラックマン(Lucie Blackman)さんが殺害された事件などで、準強姦(ごうかん)致死や死体遺棄などの罪に問われた元不動産開発業、織原城二被告(54)に対し、東京地裁(栃木力裁判長)は24日、ルーシーさんの殺害事件に関して無罪を言い渡した。

 しかし、他の9人の女性に対する同容疑については無期懲役が宣告された。織原被告の一連の事件に関する公判は2000年に開始され長期にわたった。

 ルーシーさんは東京でホステスとして働いていた2000年7月に行方不明になり、7か月後、切断された遺体が海のそばの洞窟で発見された。

 2006年、東京地裁での公判で証言台に立ったルーシーさんの父親、ティム・ブラックマン(Tim Blackman)さんは、同被告を怪物と呼び、「この怪物は、自分が犯した性的な倒錯行為や非人道的な行為について、1粒の涙も後悔も見せないし、恥や罪の意識さえ示していない」と怒りをあらわにした。

 このとき織原被告は拘置所内で裸になり、独房内の家具と壁の間に隠れて出廷を拒否したとされる。

 一方、ティムさんは2006年9月、織原被告からの「お悔やみ金」1億円を同被告の友人を通して受け取った。これは遺族からの「情状酌量」を得る狙いからと思われている。

 このれについては、ルーシーさんの母親でティムさんの前妻でもあるJane Stearneさんは、「血塗られた金」を受け取ったとしてティムさんを非難している。

 ティムさんは事件後、海外渡航する若者に安全面での注意を促すためのグループを設立した。