【バグダッド/イラク 21日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は20日、イラクの政界指導者に宗派間抗争の沈静化を図るよう求め、情勢に進歩が見られない場合、駐イラク米軍の撤退もあり得ると警告した。

 ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相との会談後にバグダッドで会見したゲーツ長官は、「米国は長期的にイラクに関与する」とするも、駐留は恒久的な措置ではないと語った。また同長官はマリキ首相に対し、宗派間抗争の沈静化へ向けてイスラム教スンニ派(Sunni)との対話を要請したという。

 バグダッドの掃討作戦の目的については、マリキ首相が政治的進展を図るための時間と拠点を確保することにあり、宗派間抗争の沈静化そのものではないと明言。また、18日に発生し約200人が死亡した連続自動車爆弾テロについては、掃討作戦の「妨げ」になったと認めた上で、テロを実行したと見られる国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を非難した。

 一方でゲーツ長官は、駐イラク米軍司令官やアブデルカデル・ジャシム・オベイディ(Abdul-Qadir Jashim al-Obaidi)国防相との会談で、「現時点で成果が両面的なのは当然であり、一時的な困難は想定の範囲内だ」として、イラク政策を「失敗」と見る米国内の反対派に対して掃討作戦を擁護。米上院では19日、ハリー・リード(Harry Reid)民主党院内総務がイラク戦争は「敗戦だった」と述べていた。

 ゲーツ長官はジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)大統領や、アディル・アブドルマハディ(Adil Abdul-Mahdi)、タリク・ハシミ(Tariq Hashimi)両副大統領とも会談し、宗派間抗争の収拾へ向けて「国民和解の重要性」について意見交換した。イラク大統領府が声明で発表した。

 その後ゲーツ長官はすべての日程を終え、米軍のヘリコプターでバグダッドを後にしている。 

 写真は19日、ファルージャ(Fallujah)上空を飛行するヘリコプターの機内で撮影されたゲーツ長官(左、米国防総省提供)。(c)AFP/CHERIE A. THURLBY