【パリ/フランス 20日 AFP】インターネットギャンブルは、強迫性障害などの精神症状を伴うパーキンソン病患者にとって、特別の危険をはらむとの警告が、英医学誌『British Medical Journal(BMJ)』に掲載された。

 パーキンソン病は神経細胞の異常が原因で発病する。運動機能の低下、手足や体の震えやけいれんなどの症状がよく知られている。

 BMJはこれに加え、病的賭博などの衝動調節障害を伴う患者が多いと指摘。治療薬としてドーパミンアゴニスト(ドーパミン作動薬)を服用すると、この傾向が高まるとして、オンラインカジノやオンラインポーカーなど、インターネット上のギャンブルゲームによって知らないうちに負債がかさみ、家庭の崩壊につながる可能性を指摘している。

 前年、米神経医学会誌『Neurology』に掲載された論文は、パーキンソン病患者の3.4%に病的賭博がみられ、ドーパミンアゴニスト服用患者に限ると有病率は7.2%に跳ね上がったとの統計を紹介した。

 若年で発症した患者ほど、危険も高まるという。

 一方、英人口全体では、病的賭博は1%前後にとどまる。

 論文をまとめた英リバプール(Liverpool)のウォルトン神経学神経外科学センター(Walton Centre)の神経科医、Malcolm Steiger医師とSui Wong医師は、「患者がしばしば、家族にギャンブルのことを隠していることに気付いた。問題を自覚する前に、何千ポンドもの借金を抱え込む危険がある」と説明した。

「多くのオンラインカジノ経営者は、ポップアップ広告などで賭け金が無料となるボーナスなどを宣伝し、人々を呼び込んでいる。このマーケティング手法が普及したことで、精神症状を伴う患者が自分からギャンブルをやめるのが難しくなっている」。

 2人によると、医師が患者とその家族に対し、患者の行動の変化や新たな強迫症状の有無を早期に確認することで、被害が抑えられるとしている。

 また、インターネットギャンブルに夢中になっている患者には、ドーパミンアゴニストの処方量を減らしたり、処方そのものを中止する処置が考えられる。一方、患者の家族らはパソコンにファイアーウオールをインストールして、ポップアップ広告を出させない、ギャンブル系ウェブサイトを閲覧させないなどの対応をしたり、必要とあれば患者の金融口座を家族で管理するなどの対応が求められると指摘している。

 写真は16日、シンガポールで開かれたアジア・カジノ会議(Asian Casino Conference)で、パソコン画面に表示されたオンラインカジノのウェブサイト。(c)AFP/ROSLAN RAHMAN