【ソウル/韓国 19日 AFP】北朝鮮と韓国の南北経済協力推進委員会が19日午後、平壌で開幕する。韓国政府は北朝鮮側に対し、6か国協議での軍縮合意に従い、核施設の停止・封印を急ぐよう要請するとみられる。

 聯合ニュース(Yonhap)によると、南北経済委への韓国側代表団長である陳棟洙(チン・ドンス、Chin Dong-Soo)財政経済部第2次官が委員会での演説の中で、「2月13日の6か国協議での合意内容を北朝鮮が早期に履行することが、南北経済協力推進の近道」だと訴える予定だ。

 4日間の日程で予定される南北経済委初の全体会議は、当初19日午前に開幕する予定だったが、北朝鮮側が急きょ午後への延期を要請してきた。

 北朝鮮に対するコメの支援再開について、核放棄へ向けた「初期段階措置」の進展という条件を韓国側が付けるかどうかが焦点となっている中、北朝鮮の権虎雄(クォン・ホウン、Kwon Ho-Ung)内閣責任参事は18日の歓迎スピーチで「我々は、政治と経済の分離という厳格な原則の下で作業する」と述べ、「条件付き」に異議を唱えた。

 前年7月に実施された北朝鮮によるミサイル発射実験を機に、韓国は年間40万トンのコメ支援を停止した。南北関係は同10月の北朝鮮の核実験でさらに悪化したが、北朝鮮が6か国協議に復帰してからは改善傾向にある。

 世界食糧計画(WFP)では、2007年の北朝鮮の食糧不足を100万トン規模と試算しているという。

 委員会では、南北を結ぶ2つの鉄道路線の開通についても協議される見込み。韓国側は5月に運行試験を行いたいとしている。試験は当初前年5月に予定されていたが、北朝鮮側が安全保障上問題があるとして、中止された。

 天然資源と原料の取引に関する協定も、議題にあがっている。

 写真は、軍事境界線(38度線)に近い韓国の坡州(Paju)を通過し、北朝鮮にコメを運ぶトラック。(c)AFP/JEON YEONG-HAN