ゲール語の村名を取り戻した「売春婦の砦」村 - アイルランド
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【ダブリン/アイルランド 19日 AFP】アイルランド南西部の村が英語風の名前になっていた村の名前を元に戻すことを認められ、再びゲール語(アイルランド語)で 「売春婦の砦」村と呼ばれることになった。
■住民の請願で元の村名に
英語で「Doon」として知られるこの村は、何世紀もの間ゲール語で「売春婦の砦」という意味の「Dun Bleisce」と呼ばれてきた。しかし、2003年に政府はこの村の名前を単に「砦」という意味の「An Dun」に変える命令を出した。
住民は反発し、地名に「売春婦」を意味する単語を付け加え元の名前にするよう求める請願書に地元住民1000人が署名した。地元の政治家とリメリック(Limerick)州議会も後押しした。
住民の圧力を受け、コミュニティー・地方・ゲール語圏担当のイーモン・オクィーブ(Eamon O’Cuiv)大臣は、ゲール語地名に関する政府地名委員会に裁定を求めた。
オクィーブ大臣は15日の声明で、地名委員会が「An Dun」はアイルランド語の地名として適切であるが、「Dun Bleisce」も「歴史的根拠」をもつと述べた。
2つの選択肢を手にしたオクィーブ大臣は、最終的な承認を得るまでの間、この村の名前を元に戻す仮命令を発表した。
「強い反対がなければ、仮命令を4週間以内に施行することを提案する」と同大臣は述べる。
■女性の名前をとってつけられた村の名前
地元のメアリー・ジャックマン(Mary Jackman)議員はこの仮命令に諸手を上げて歓迎する。
「本当にうれしい。ずっとDun Bleisceだったんですから。地名が変わったのは官僚主義のせいか、ちょっとした解釈の誤りだったのではないかと思います」とJackman議員はAFPに語った。
Jackman議員は問題となったゲール語の単語を英語に直訳するとたしかに「harlot(売春婦の意)」になるかもしれないが、昔、その名をとって村の名前とされた女性が、現在その単語が意味する職業についていたとは限らないという。
「当時「blesc」という単語は、強い女性、パワフルな女性というような意味で、軽蔑的な意味はなかったのだろうと思います。彼女の本当の姿を知る人はいません」
地名委員会が提出した証拠文書によると、「Dun Bleisce」という地名を文献で最初に確認できるのは774年。
「おそらく彼女は財産家だったのではないでしょうか。当時の田舎には強いフェミニズムの風潮がありました」とJackman議員。
「『Dun of Bleisce』という地名はこの女性Bleisceの住居または砦という意味で、まさに彼女がこの地名の由来なのです」
「元の地名に問題を感じている地元の人はいません。由緒正しき古い地名なのです」
■観光名所では地名のゲール語化に反対
ゲール語はかつてアイルランドの主要言語だったが、英国の植民地支配によって英語に圧倒されてしまった。
オクィーブ大臣は、主に英語風に変えられた地名を元に戻す命令を何千も出してきた。
しかし、アイルランド南西部の同国有数の観光地ディングル(Dingle)では、ゲール語地名への復帰は住民の反発を呼んだ。
政府の命令に対抗し、地名を英語とゲール語の混じった「Dingle Daingean Ui Chuis」 に変えるよう求める提案が住民投票で圧倒的多数の賛成を得た。
オクィーブ大臣は、ディングルはゲール語使用推奨地区「ゲールタハト(gaeltacht)」に指定されているため、住民側の案は法律に違反すると述べている。
写真は、アイルランドのディングルとフランスConcarneau間を競う1人乗りヨットレース「第37回ソリティア・アフルルー・フィガロ」で、ディングルを出発するヨット(2006年8月25日撮影)。(c)AFP/LE FIGARO/Jean-Christophe MARMARA/Richard VIALERON
■住民の請願で元の村名に
英語で「Doon」として知られるこの村は、何世紀もの間ゲール語で「売春婦の砦」という意味の「Dun Bleisce」と呼ばれてきた。しかし、2003年に政府はこの村の名前を単に「砦」という意味の「An Dun」に変える命令を出した。
住民は反発し、地名に「売春婦」を意味する単語を付け加え元の名前にするよう求める請願書に地元住民1000人が署名した。地元の政治家とリメリック(Limerick)州議会も後押しした。
住民の圧力を受け、コミュニティー・地方・ゲール語圏担当のイーモン・オクィーブ(Eamon O’Cuiv)大臣は、ゲール語地名に関する政府地名委員会に裁定を求めた。
オクィーブ大臣は15日の声明で、地名委員会が「An Dun」はアイルランド語の地名として適切であるが、「Dun Bleisce」も「歴史的根拠」をもつと述べた。
2つの選択肢を手にしたオクィーブ大臣は、最終的な承認を得るまでの間、この村の名前を元に戻す仮命令を発表した。
「強い反対がなければ、仮命令を4週間以内に施行することを提案する」と同大臣は述べる。
■女性の名前をとってつけられた村の名前
地元のメアリー・ジャックマン(Mary Jackman)議員はこの仮命令に諸手を上げて歓迎する。
「本当にうれしい。ずっとDun Bleisceだったんですから。地名が変わったのは官僚主義のせいか、ちょっとした解釈の誤りだったのではないかと思います」とJackman議員はAFPに語った。
Jackman議員は問題となったゲール語の単語を英語に直訳するとたしかに「harlot(売春婦の意)」になるかもしれないが、昔、その名をとって村の名前とされた女性が、現在その単語が意味する職業についていたとは限らないという。
「当時「blesc」という単語は、強い女性、パワフルな女性というような意味で、軽蔑的な意味はなかったのだろうと思います。彼女の本当の姿を知る人はいません」
地名委員会が提出した証拠文書によると、「Dun Bleisce」という地名を文献で最初に確認できるのは774年。
「おそらく彼女は財産家だったのではないでしょうか。当時の田舎には強いフェミニズムの風潮がありました」とJackman議員。
「『Dun of Bleisce』という地名はこの女性Bleisceの住居または砦という意味で、まさに彼女がこの地名の由来なのです」
「元の地名に問題を感じている地元の人はいません。由緒正しき古い地名なのです」
■観光名所では地名のゲール語化に反対
ゲール語はかつてアイルランドの主要言語だったが、英国の植民地支配によって英語に圧倒されてしまった。
オクィーブ大臣は、主に英語風に変えられた地名を元に戻す命令を何千も出してきた。
しかし、アイルランド南西部の同国有数の観光地ディングル(Dingle)では、ゲール語地名への復帰は住民の反発を呼んだ。
政府の命令に対抗し、地名を英語とゲール語の混じった「Dingle Daingean Ui Chuis」 に変えるよう求める提案が住民投票で圧倒的多数の賛成を得た。
オクィーブ大臣は、ディングルはゲール語使用推奨地区「ゲールタハト(gaeltacht)」に指定されているため、住民側の案は法律に違反すると述べている。
写真は、アイルランドのディングルとフランスConcarneau間を競う1人乗りヨットレース「第37回ソリティア・アフルルー・フィガロ」で、ディングルを出発するヨット(2006年8月25日撮影)。(c)AFP/LE FIGARO/Jean-Christophe MARMARA/Richard VIALERON