【ニューヨーク/米国 18日 AFP】米国史上最悪となったバージニア工科大学(Virginia Tech University)の銃乱射事件により、米国の世論を二分する「銃規制問題」に再び注目が集まっている。銃の所有に関する連邦法および州法を検証する。

■レーガン暗殺未遂事件を機に成立した「ブレイディ法」

 連邦法は、免許を持つ銃取扱業者が、販売前に顧客の経歴調査を行うことを義務づけている。犯罪経歴を持つ人物、麻薬中毒患者、家庭内暴力の常習者、精神病患者などは銃を購入できない。

 ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)元大統領の報道官を務め、1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件に巻き込まれて半身不随となったジェームズ・ブレイディ(James Brady)氏が法の成立に尽力した通称「ブレイディ法」は1994年以降、数十万挺の銃が犯罪者の手に渡るのを阻止するのに効果を発揮したとされる。

■展示即売会の抜け穴

 しかし全米の複数の州では、銃の展示即売会で免許を持たない業者が犯歴調査をせずに顧客に銃を販売できるため、法律上の大きな「穴」となっている。

 展示即売会では現金さえ支払えば無条件で銃が買えるため、犯罪者や未成年者が自由に銃を購入する道が残っている。ブレイディ氏の運動を引き継ぐ団体、Brady Campaign to Prevent Gun Violenceは、自由に購入できる銃の中には攻撃用ライフルなども含まれていると主張する。

■攻撃用銃の禁止法は2004年に失効  銃規制法は1968年、公民権運動のリーダー、マーチン・ルーサー・キング(Martin Luther King)牧師、ロバート・ケネディ(Robert Kennedy)上院議員の暗殺が相次いだのを機に成立した。この法律により免許を持つ業者をのぞき、州をまたいだ銃取引は禁止された。一方、セミ・オートマティック(自動装填式)の攻撃用銃を禁止する連邦法は1994年に成立し、2004年に失効した。

■規制は各州でさまざま

 銃の規制は州によってその厳しさが異なる。18歳未満には銃の販売を許可せず、未成年者が銃を使用した場合には所有者の成年が罪に問われ、銃の展示即売会が許可されていない州や、銃の所有者にトレーニングの受講と、銃の登録を義務づけ、銃を隠し持つことを禁止している州もある。

 しかし、今回事件が発生したバージニア州では、12歳の未成年でも攻撃用ライフルを保護者の承認なしに1月に1丁の割合で購入することができる。購入に年齢制限がない州もある。

 地区、都市ごとの銃規制も存在する。ニューヨーク市は全米でもっとも厳格な銃規制がなされており、免許なしに銃を所有することはできない。

 写真はグロック(Glock)9ミリ口径のピストル。バージニア工科大学の乱射事件で使用されたものはこの銃に類似していると報道されている。(c)AFP/Tim Sloan