【ブラックスバーグ/米国 18日 AFP】バージニア(Virginia)州のバージニア工科大学(Virginia Tech University)で16日に発生した銃乱射事件は米国史上最悪の惨事となった。犯人は韓国人学生チョ・スンヒ(Cho Seung-Hui)容疑者(23)。学生生活における彼の「孤独」が周りの証言で浮き彫りになってきている。

 チョ容疑者は、同大学の4年生で、英語を専攻していた。同容疑者のクラスを担当したLucinda Roy教授は、CNNに対し、「彼について心配するクラスメートが複数いた。私も非常に悩み、彼に手を差し伸べてくれる人物を探していた」と語った。同教授は一時、同容疑者を個人指導した。同容疑者ほど指導に手こずった学生は他にいなかったという。

 「戯作」のクラスで同容疑者と一緒だったStephanie Derryさんによると、同容疑者が書いた劇は「極めて不気味、陰気かつグロテスク」で、クラスメートらは彼の作品をよく笑いのネタにしたという。「笑いたい場合は、彼が次に何をしでかすかをただ待っているだけでよかった」という状態だったという。

 また、同容疑者は授業中はいつも黙っていて、自作に対するクラスメートの批評にも無反応だったという。「彼はただ座って私たちを眺めているだけだった。彼は自ら孤立していた」とDerryさんは語った。

 シカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)紙およびABCテレビによると、同容疑者(23)は「他の裕福な学生たち」に対する非難のメモを寮の自室に残していた。「道楽者」や「うそつき」に対する非難を記した数ページのメモには、「おまえらのせいだ」と書かれていた。

 写真は17日、バージニア州警察によって公開されたチョ容疑者の顔写真(撮影日不明)。(c)AFP/VIRGINIA STATE POLICE