【パリ/フランス 17日 AFP】16日付のルモンド(Le Monde)紙は、2001年9月11日の米同時多発テロ発生の8か月前に、仏情報機関組織が米中央情報局(CIA)に対し、「国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)が米国行き旅客機のハイジャックを計画中である」ことを伝えていたと報じた。

 フランス対外治安総局(DGSE)は、アルカイダの米国攻撃計画に関するレポートを2000年9月から2001年8月までに計9通作成し、CIAのパリ支局に手渡したという。

 ルモンド紙の報道は、DGSEが公開した328ページに及ぶ機密文書に基づくもので、欧米の情報機関が2001年同時多発テロのかなり以前から、オサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)のテロネットワークに潜入していたことを示している。

 2001年1月5日付ファイルによれば、アルカイダがドイツのフランクフルト(Frankfurt)発米国行きの旅客機をハイジャックし、アフガニスタンのカンダハル(Kandahar)に進路変更させるという計画をDGSEが察知し、その月のうちにCIAに伝えている。

 この情報ファイルには、「過激派イスラムによる旅客機ハイジャック計画」というタイトルがつけられていた。計画は、アルカイダが当時のアフガニスタンの支配勢力タリバン(Taliban)、およびロシア・チェチェン共和国の武装勢力とともに練り上げたものだった。
 
 その前年の2000年10月、オサマ・ビンラディンはアフガニスタンで開かれた会合で、次の対米攻撃はハイジャックを利用することを決定。しかし、計画の詳細については、当時はアルカイダ首脳の間でも見解が分かれていたという。

 DGSE側も、ハイジャックした旅客機を米国のビルに突入させるという計画までは、察知されていなかった。その後、2001年9月11日、4機の旅客機が実際に米国でハイジャックされ、うち3機がビルに突入。3000人以上の犠牲者を出す結果となった。

 写真はドバイ(Dubai)の衛星放送局アル・アラビア(Al-Arabiya)が、オサマ・ビンラディンのものとされる音声テープを放送した際に流した、ビンラディンの映像。(2003年12月20日撮影)。(c)AFP/AL-ARABIYA