【香港 14日 AFP】“香港アカデミー賞”とも称される「第26回香港電影金像獎(The 26th Hong Kong Film Awards)」授賞式がいよいよ15日に開催される。最も注目が集まっているチャン・イーモウ(Zhang Yimou)監督の「The Curse of the Golden Flower」が最多14部門にノミネートされているが、批評家らはパトリック・タム監督(Patrick Tam)の「父子(After This Our Exile)」とジョニー・トー(Johnnie To)監督の「Election 2」の2作品も主要部門を受賞出来る可能性が高いと見ている。

ギャンブルにはまる暴力的な父親を描いた「父子」は10部門のノミネート。一方、香港ギャングを描いた「Election 2」のノミネートは5部門のみにとどまったが、作品賞、監督賞の主要部門にしっかりと名を連ねており、一大歴史スペクタクル映画「The Curse of the Golden Flower」と「父子」の強敵になるのではないかと見られている。

「香港電影金像獎はオスカー同様、政治力が大きく働きます。ですから必ずしも良い作品が受賞しているとは限りません」と映画評論家のShum Longtin氏は語る。

「『The Curse of the Golden Flower』は確かに素晴らしい作品で、個人的にも好きです。しかしこの作品は中国大陸を舞台にした“大陸人のための大陸映画”として受け止められているのです。全ての人に評判がいいわけではないのです」

巨額の製作費が投じられ、豪華絢爛に仕上げられたこの作品は、義理の子と女帝の関係を知った皇帝が、その妻に対し毒殺を試みていくという皇室の混乱を描いたストーリー。

批評家のJason Lam Keeto氏は「Election 2」が作品賞を受賞するとみている。当局の厳しい取締りに対する地元ギャング組織の激しい抵抗を描いたこの作品には勝てるだけの筋書きがあると同氏は言う。

「『Election 2』はトーのベスト作品ではありませんが、ストーリー性には素晴らしいものがあります。私は受賞できると信じています」

またLam氏は監督賞にタム監督の名をあげている。

「パトリック・タムは17年もの間、映画作品を製作していませんでした。しかし、今回彼はさらに腕を上げて帰ってきただけではなく、香港映画に長い間失われていたものを甦らせてくれたのです」とLam氏は語った。

「圧倒的な編集力、注意深く配置された台詞、スタイリッシュなまとまり。どの場面やパフォーマンスにも彼の緻密な計算が伺えます」と加えた。

Shum氏もまた、トー監督とタム監督が主要部門を二分するとみている。

「『Election 2』と『父子』、どちらも甲乙付け難い素晴らしい作品です。作品賞と監督賞はこの2作品で争われるでしょう」

 写真は13日、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)に建てられた同映画賞のトロフィー像と、その前で記念撮影をする観光客ら。(c)AFP/WOODY WU