【ディリ/東ティモール 14日 AFP】9日に行われた、2002年の東ティモール独立後初の大統領選で、票の不正集計が明らかになり、5月8日に予定される決選投票の日程をにらみながら、複数の選挙区では再投票を実施するかどうかぎりぎりの選択を迫られている。

■続々とあがる不正の証拠

 9日の投開票の後、集計結果を調査したところ「投票データの矛盾が明らかになった」ため、選挙管理委員会職員の一部が適切に職務を遂行しなかったことを、選管広報担当が正式に認めた。
 
 いくつかの選挙区では登録された有権者の数に不整合が見られた。正式な書類を用いて開票計算することを怠った職員もいたといい、不正集計疑惑は拡大する一方。

■選管はやり直し投票を拒否 

 国際選挙監視団は、投票は混乱もなく平和的に行われたとしているが、ほとんどの候補者は開票集計のやり直しを要求している。しかし、選挙管理委員会は12日、要求を受け入れる法的根拠は無いとして拒否した。

 さらに、「大統領選の混乱は政情不安を招く」と、投票する有権者を脅迫した者がいることを複数の候補者が指摘している。

 写真は11日、首都ディリ(Dili)で、投票箱を車から降ろす選挙管理委員会職員。(c)AFP/ADEK BERRY