【リヤド/サウジアラビア 13日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が9日に「ウラン濃縮活動が産業規模に達した」と発表したことについて、国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)事務局長は12日、同国のウラン濃縮施設の建設はいまだに初期段階にしかないと述べた。

 同事務局長は、「ナタンツ(Natanz)のウラン濃縮施設の遠心分離器を最終的に5万4000基に増設するとイラン側は主張しているが、現在設置されているのは数百基にすぎない」とイラン側の「誇張」を指摘した上で、「脅威なのは、イランがウラン濃縮を行うこと自体ではなく、その目的にある」ことを強調した。

 イラン政府は、9日のアフマディネジャド大統領の発言を裏付けるようなデータを何ら提示していないこともあり、イランで同国初の原子力発電所を建設中のロシアをはじめとする複数の国が、発言の真偽に疑問を投じている。

 写真はリヤド(Riyadh)で12日、湾岸協力会議(GCC)事務局長(写真外)との共同会見に臨むエルバラダイ事務局長。(c)AFP/HASSAN AMMAR