【ハルツーム/スーダン 13日 AFP】アフリカのスーダンとチャド国境付近で9日、チャド軍とスーダン軍の戦闘が発生した。これまで国連（UN）平和維持軍のダルフール派遣をスーダン政府が承認するよう求めてきた関係各国は、事態沈静化の取り組みを強めている。

　各国特使らは、スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル（Omar Hassan Ahmed al-Beshir）大統領と相次ぎ会談、12日夜には、ダルフール紛争の解決策について協議するためアフリカ歴訪を開始したばかりのジョン・ネグロポンテ（John Negroponte）米国務副長官がハルツーム（Khartoum）入りして大統領と話し合いを行った。

　チャド政府軍は9日、スーダンとの国境を越えて逃走するチャドの反政府勢力を追跡してダルフール（Darfur）地方に侵入し、スーダン政府軍との戦闘が発生した。スーダン側は同軍兵士17人が死亡したと発表、チャド側は両軍合わせて約30人が死亡したと発表している。

　4年前のスーダン政府軍やアラブ系民兵組織ジャンジャウィード（Janjaweed）と、スーダン反政府軍との戦闘勃発以降、今回の衝突はこの地域で最大規模のものとなった。西部ダルフールの戦闘が近隣諸国に拡大するのではとの懸念も強まっている。

　スーダン、チャド両国は、互いに相手国の反政府勢力を支援をしているとして非難を繰り返してきた。今回の件に関してはチャド政府側が謝罪したが、スーダン政府は再発防止の確実な保証を求めている。

　写真は10日、ハルツームで会談するバシル大統領（右）と、南アフリカのターボ・ムベキ（Thabo Mbeki）大統領。(c)AFP/ISAM AL-HAJ