【フランクフルト/ドイツ 11日 AFP】仏流通大手のPPRは10日、独スポーツメーカー プーマ(Puma)を買収すると発表した。これに対し、11日に開かれたプーマの株主総会で株主たちは買収総額53億ユーロ(約8480億5300万円)という金額が低すぎるとの懸念を表明した。

■株主総会では不満の声も

 既に27.1%の株式を取得しているPPRは買い付け価格1株あたり330ユーロ(約53000円)を提案。しかし、現在株式市場でプーマ株はPPRの提示額よりもはるかに高値で取引されている。ドイツ南部のニュルンベルク(Nuremberg)で開かれたプーマの株主総会で、Sdk株主組合(Sdk Shareholder association)の広報担当者は「なぜ株主がPPRの提案を受けなければならないのか」と述べた。

 プーマの会長兼CEOヨッヘン・ザイツ(Jochen Zeitz)氏は株主総会で今回の提示額は‘適正’であるとし、株主に提案を受け入れるようすすめた。「小売りとファッションの分野で国際的に活躍するPPRは、スポーツとライフスタイルに関する商品を手がけるプーマにとって理想的なパートナー」とザイツ会長。

 以前テレビのインタビューに応じたザイツ氏は、PPRからのより高額な提案の可能性もあると否定せず「基本的に、(1株あたり330ユーロという)提示額はこのままだが、展開による」と語った。

■買収の憶測の後、プーマ株上昇

 11日にPPRの広報担当者はパリで「この価格は、プーマの価値を十分に評価しており、(PPRが27.1%を獲得した独メイフェアの)ヘルツ家も売却に応じている。現在のプーマ株は買収についての憶測が飛び交う前の株価から大幅に値上がりしている」とコメント。

 一方で投資家らは、今後プーマ株がより高騰するのではと予測。フランクフルト証券取引所で10日に9.44%上昇したプーマ株は、11日にも1.77%上昇。350.03ユーロ(約5万6000円)で取引された。

 ザイツ氏は、PPRの提案を受け入れるかどうかの最終判断は株主に任せると語る。しかし、買収の憶測が飛び交う前のプーマ株は270から280ユーロ(約4万3000円から約4万5000円)で取引されていたことを指摘し、330ユーロという価格は‘論理的’でありプーマの投資銀行のアドバイザーも‘承認済み’だと主張した。

 プーマの最大のライバル ナイキ(Nike)にも買収に乗り出す可能性はあるかとの質問に対しては、明確な返答を避けたが、「可能性は低い」とのこと。

 「常に可能性はある。我々は株主の可能性も考慮する」とザイツ氏。しかし、PPRの買収はプーマにとって「有益な」ものだと主張した。

 写真は11日、ドイツで開催されたプーマ社の株主総会の様子。中央はプーマ・ドイツ本社CEOのヨッヘン・ザイツ氏。 (c)AFP/TIMM SCHAMBERGER