【ロサンゼルス/米国 12日 AFP】故アンナ・ニコル・スミス（Anna Nicole Smith）さん（39）の生後7か月の遺児の実父と判明した元恋人で写真家のラリー・バークヘッド（Larry Birkhead）氏（34）が11日、養育権を共有しない意思であることを明らかにした。

　故アンナ・ニコル・スミスさんはプレイボーイ（Playboy）誌の元モデルやリアリティ番組の出演者として活躍していたが、本年2月、薬物の過剰服用で急死していた。

　NBCのニュース番組「NBC・トゥデイ（NBC Today）」に出演したバークヘッド氏は、まだ7ヶ月の遺児ダニエリン（Dannielynn）ちゃんの養育権に関する更なる法廷での争いは避けたいと語った。

　「裁判を起こすことは可能ですが、今回は争いたくはありません。父親は一人しかいません。しかし、誰でも子供を訪ねることも会うこともできますし、子供の人生に関わることもできると思うのです」

　バハマの裁判所は10日、同氏がダニエリンちゃんの実の父親である可能性が99.9999％だというDNA鑑定の結果が出たことを発表した。それにより、スミスさんの長年の恋人でパートナーだったハワード・スターン（Howard Stern）氏の主張は退けられた。

　スターン氏はこの判決の後、バークヘッド氏の養育権に対する主張を支持すると語った。スミスさんの元夫で石油王の故J・ハワード・マーシャル（J. Howard Marshall）氏の遺産相続をめぐり、同氏の家族と繰り広げられている裁判に勝てば、ダニエリンちゃんがその莫大な遺産の相続者となる。

　一方、スミスさんの母親Virgie Arthurさんは、ダニエリンちゃんの養育権を求めていく意思を表している。養育権に関する更なる審問はバハマで13日に行われる。

　しかし、養育権を共有する意思がないバークヘッド氏は「NBC・トゥデイ」で語った。「私が父親としてふさわしくないと言われるかもしれない。でも私は父親として今後、ダニエリンに愛情とサポート、そして彼女が必要とする全てを与えていきたい思っています」

　さらにバークヘッド氏は、DNA鑑定結果が言い渡される瞬間を、オスカー発表の瞬間に言い換えた。「アカデミー授賞式会場で、封が解かれ、名前が発表され、それを待っているときのような感じでした」と語った同氏は、ダニエリンちゃんが生まれた9月から間もなくたった頃から、父親であることを主張していた。

　「あれだけの重荷を下ろすことができたなんて、信じられません。最高の瞬間でした」

　スターン氏の自宅を訪れダニエリンちゃんと面会し、おむつを替え、リンゴジュースを与えたと報じられたバークヘッド氏は、今後は常に父親の役目を果たせることを望んでいるという。

　「待ちきれません。ダニエリンにはたくさんのおもちゃと子供部屋を用意しています。彼女が必要なものは全てあるし、私は愛情を注ぐだけです。私にはその準備ができています」

　写真は、バハマの教会で、スミスさんの葬式に出席したバークヘッド氏（2007年3月2日撮影）。(c)AFP/ROBERT SULLIVAN